伊藤忠開発のAIを搭載した「検査情報システム」がトヨタ自動車の自動車品質管理に採用

このエントリーをはてなブックマークに追加

サイバーリンク株式会社は5月18日、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が開発した「検査情報システム」に、サイバーリンクのAI(人工知能)顔認証エンジン「FaceMe」を搭載した新バージョンが、トヨタ自動車の車両品質管理の向上を目的に採用されたことを発表した。

「検査情報システム」は完成車両の検査結果を管理する品質管理システムだ。高速で精確な顔認証によって資格を持った検査員しか検査できない仕組みを構築し、厳格な検査員管理と操作レスによる認証で生産性向上を両立できる。また、マスクや帽子を着脱することなく非接触で認証し、感染症の拡大防止策としても有効となっている。

同システムにFaceMeを搭載したことで、工場内の各検査工程において資格者検査が必要な場所にアンドロイド端末を設置し、認証対象者が帽子やゴーグル、マスクを着脱しなくても高速に認証ができるようになった。

採用した理由については、コロナウイルスの流行でマスクを装着した顔認証が必要となり、FaceMeが市場で非常に高い評価を受けているからだという。FaceMeは認証速度0.2秒以下で本人識別率99.7%をマークし、認証角度においても世界トップクラスの性能を誇る。歩行したまま認証する「ウォークスルー認証」も可能とのことだ。

今回の件についての3社のコメントは以下のとおり。

─トヨタ自動車 主任 今任 徳光氏
「昨今の環境変化により作業者のマスク装着は必須であり、マスクをした状態で顔認証をした際の照合性能、レスポンスのよさよりFaceMeを採用させていただきました。これにより生産性向上だけでなく、検査業務に一層集中して取り組むことができるようになりました。また、工場独特の明るい環境や車内の暗い環境でも問題なく運用できるように細かくサポートいただき、非常に助かりました」

─サイバーリンク 代表取締役 ヒルダ ペン氏
「世界トップレベルの品質を誇る日本のものづくりを代表するトヨタ自動車に採用された、伊藤忠テクノソリューションズ社の検査情報システムにサイバーリンクの顔認証SDK FaceMeが採用されたことを光栄に思います。世界トップクラスの正確性となりすまし防止技術を搭載したFaceMeと検査情報システムによりトヨタ自動車の品質管理における利便性、生産性の向上、感染症の拡大防止への貢献、さらにはスマートファクトリー市場が成⻑することを期待します」

─伊藤忠テクノソリューションズ 部長 松長 和孝氏
「ディープニューラルネットワークAI技術を使用したFaceMeは、高速な認識速度と高い認識精度で非常に魅力的な製品だと感じました。お客様にもご評価いただいており、今回FaceMeを採用できたことに嬉しく思っております。また、検証時もサイバーリンク様にご支援いただき、とても助かりました。他工場へも展開していく予定ですので、引き続きご支援の程よろしくお願いいたします」

>>ニュースリリース