AIを搭載する下肢麻痺リハビリ支援ロボット、トヨタ自動車が開発

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トヨタ自動車は昨年11月に脳卒中などによる下肢麻痺のリハビリテーション支援を目的としたロボット「ウェルウォークWW-2000」を発表していた(外部サイト)。そして、2020年2月から納入を開始している。

このウェルウォークWW-2000には、患者が継続的にリハビリテーションに取り組めるような機能が搭載されている。その機能の一部にAIが使われていることが、2月21日に株式会社ネクストシステムから発表された。





患者に対してより効率的な歩行練習を提供するロボット

ウェルウォークWW-2000とは、患者ごとに合わせた難易度の調整や、歩行状態のフィードバック機能など、運動学習理論にもとづくリハビリテーション支援機能をもつロボットだ。

臨床現場での使いやすさを考慮し、装着の容易さ、タッチパネルによる一括操作など、シンプルな構造と機能を備えている。

2017年には初代モデルとされる「ウェルウォークWW-1000」が発表された。

2017年に発表されたウェルウォーク WW-1000

初代モデルから進化したウェルウォークWW-2000は、患者が継続的にリハビリテーションに取り組めるようにする「モチベーション維持のためのゲーム機能」、異常歩行改善のためアシスト設定のどこを変更したらよいかなどの情報をリアルタイムで提示する「歩行分析ガイド機能」が新たに搭載されている。

新たな機能を搭載したウェルウォークWW-2000

ウェルウォークWW-2000は、患者の歩行状態の判断や改善策の検討をサポートする。そのため、療法士の業務負担を軽減しつつ、患者に対してより効率的な歩行練習を提供できるようになっている。

患者の姿勢が正しい位置かどうかを確認できるAI

今回、株式会社ネクストシステムが発表したのは、ウェルウォークWW-2000に患者の姿勢が正しい位置にあるかどうか確認するために「VisionPose」が採用された、ということだ。

VisionPoseとは、株式会社ネクストシステムが開発したカメラ映像や画像・動画ファイルから人間の骨格情報を検出できる人工知能エンジンだ。

株式会社ネクストシステムのプレスリリース(外部サイト)では、
VisionPoseにより患者様の歩行状態をリアルタイムに検出することで、ウェルウォークWW-2000の新機能である歩行分析ガイド機能やゲーム機能の実現に寄与しました
と述べている。

骨格を検知する人工知能エンジン「VisionPose」

高精度な骨格検出が可能な「Standard」、カメラひとつで3D座標での骨格検出を実現する「Single3D」、開発が不要でより手軽な研究開発用骨格検出プラットフォーム「Nano」の3つを利用用途に合わせて展開している。

また、SDKとしてはWindows(C#、C++、Unity)、Linux、iOSと幅広いプラットフォームに対応しているのも特徴。


トヨタはロボット開発において「すべての人に移動の自由を、そして自らできる喜びを」というビジョンを掲げている。2007年末から藤田医科大学と共同でリハビリテーション支援ロボットの開発に取り組み、2011年より医療現場での実証実験や全国の医療機関で臨床的研究に活用されているそうだ。

ウェルウォークWW-2000発表時のトヨタによる発表では、
今後はウェルウォークWW-2000の販売を通じて、療法士の業務負担を軽減しながら、同時にひとりでも多くの患者様に『自分で歩く喜び』をお届けしたいと考えています
とコメントしていた。

ウェルウォークWW-2000には、リハビリテーション支援のためだけでなく、療法士の負担を軽減する目的もある。そんなロボットにAIが活用されることで、さらに多くの人の“力になれる存在”へとAIが昇華していきそうだ。