テレビの生放送でAIが文字をマスク処理、2フレームで事故を防ぐ

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ネットスマイル株式会社、株式会社テレビ朝日サービス、株式会社朋栄の3社は3月3日、ライブ映像に映り込む文字を自動で検知し、マスク処理をかけオンエア映像にする仕組みを共同開発したことを発表した。

高速でマスク処理、2フレーム以内でオンエア

これまで、生放送において瞬時にマスク処理を施すことは困難だった。誤った情報の露出を回避するには人手を頼るしかなかったが、たびたび不体裁映像が放送されてしまうことがあった。





この課題を解決するため、生放送のライブ映像に映り込む文字でも、リアルタイムでその文字を検知し、マスク処理をかける仕組み(以下、文字自動マスク処理)を、テレビ朝日およびテレビ朝日サービスが共同で企画。ネットスマイルが文字検知モジュールを技術提供、朋栄がマスク処理システムを開発する形で共同開発が進められた。

文字自動マスク処理の特徴は、文字検知に0.5フレーム、マスク処理とその他の処理に2フレーム以内でオンエアが可能であることだ。

テレビ放送では、1秒間に29.97回画像フレームが表示される(約0.033秒=1フレーム)。2フレームなら約0.06秒で、人間の目ではその遅延を認知できないスピード。これは地上デジタル放送界でも世界最速レベルだという。

活用事例としては、提供スポンサーの文字の背景に映り込んだ文字が被り、提供スポンサーの文字が妨げられる、などの放送不体裁の回避などだ。これまでは報道番組などの生放送において、予期せぬ映像が映り込み人手での対応が間に合わず、提供スポンサーの文字の背景に文字情報が映り込んでしまうケースが発生していた。文字自動マスク処理により、生放送における放送不体裁のリスクの低減が期待できる。

テレビ朝日では2020年2月からすでに実運用を開始しており、ネットスマイルは技術面で特許を出願中。今後はネットスマイル、テレビ朝日サービス、朋栄とテレビ朝日で、文字自動マスク処理の商品化を目指し、テレビ朝日サービスと朋栄が販売を行う予定としている。

テレビ業界もAIで働き方改革が進む

この技術は、放送不体裁の回避だけでなく、これまで人手で行ってきた作業の自動化という意味で、働き方改革の一助にもなるだろう。

同じテレビ業界では、日本テレビが昨年の参院選特番でAIの顔認識技術を使って実験し、映像内の人物と名前の間違いによる誤報を防止する確認作業の工数を大きく削減させている。

テレビの放送に関わる業務は、なまじ間違った情報を放送してしまえば訂正はきかない。訂正の放送をしたとしても、視聴者が再度観てくれる保証がないからだ。そのため、放送される素材は何重にも渡ってチェックされる。しかし、それでも人手で対応する限り、放送不体裁は起きる可能性がある。

文字自動マスク処理のように、自動化できる業務はどんどん自動化し、テレビなどマスメディアでも働き方改革が進んでほしい。

Source:PR TIMES