東大、「メタバース工学部」を設立 社会人リスキリングや工学女子のキャリア情報も提供予定

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※画像はバーチャル東大より

7月21日、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科・工学部は新たに「メタバース工学部」を設立することを発表した。工学や情報の学びの機会や、工学キャリアに関する情報を、中高生や社会人など多様な人々に提供することを目的としている。

DX人材の育成、工学系のダイバーシティ促進をめざす

先端テクノロジーが次々に生まれ、データによる価値創造が急速に進む中、社会全体としてデータやテクノロジーを活用できるDX人材が不足している。加えて、工学系の分野はその多くが男子学生であり、ダイバーシティが進んでいないことも問題となっている。

「メタバース工学部」はこれらを解決するために設立された。

メタバースとはコンピュータ上に構築された三次元の仮想空間のことで、主な例として企業のバーチャルオフィスなどが挙げられる。当学部ではダイバーシティ促進のため年齢、ジェンダー、立場、住んでいる場所などに関わらず、全ての人が工学や情報を学べる教育システムを構築する。そのため、当学部の教育プログラムはオンラインでどこからでも参加することができる。

工学分野での女性キャリア情報の発信、リスキリングなど産学連携で活動

メタバース工学部が提供する主な活動として以下のものが挙げられる。

  • 工学キャリア情報サイトの立ち上げ
  • ロールモデルが少ない女性工学キャリアの情報提供などを通じて、工学分野におけるダイバーシティ推進を加速する。また、キャンパス訪問、疑似入社の体験談や座談会など、当事者目線でリアルな情報を発信していく

  • ジュニア工学教育プログラム
  • 中高生やその保護者を対象とした、産業界と大学が連携した工学教育プログラム。大学での工学や卒業後のキャリアを伝える授業、商品開発のような体験型演習、研究室見学などをオンラインと対面を組み合わせて実施。参加は無料

  • リスキリング工学教育プログラム
  • 社会人や学生を対象として学び直しやリスキング支援が目的。人工知能・起業家教育・次世代通信などの最新の工学や情報をオンラインで学ぶ教育プログラムを提供する予定だという。受講者のニーズやレベルに合わせた多様なコースを順次開講し、受講生には科目毎に修了証を発行する。社会人は法人単位で申し込むが、一部個人枠(応募条件あり)を準備予定

今後は中高生向け工学部サマースクール(2022年8月21日)、メタバース開講式(同9月23日)、リスキリング講座の一部開講(同10月1日)を予定しているという。

なお当学部は産学が連携して活動するため、主旨に賛同する法人会員の募集も行っている。工学部生と工学系研究科の大学院生で構成される「テックアンバサダー」と若手社員ら「工学キャリアアドバイザー」が活動に加わる。

>>ニュースリリース