万引き防止AI「VAAKEYE」ついにサービスイン。気になる価格は?

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万引き防止AIや無人レジシステムを開発提供するVAAKは、3月5日に「VAAK EYE(バークアイ)」を正式に販売開始した。

VAAKは2018年3月からβ版を提供開始し、複数の大手小売企業と実証実験を行っていたが、満を持してサービスインにこぎ着けた形だ。

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実証実験中には万引き犯逮捕にも貢献

VAAKEYEは、万引き行動などを検知して知らせるAIシステム。物体認識、画像認識といった部分にディープラーニングの技術が使われている。

すでに店舗などに設置されている監視カメラにそのまま組み込むことができ、人間の歩幅や関節の動きなど、100以上のポイントを分析。明らかな不審行動だけでなく、複雑な行動も検知できる。

2018年3月から行っていた実証実験では、77%以上の万引き被害額削減、96%以上の万引き対策時間削減という成果を残した。同年12月には、実証実験中の防犯カメラ映像からの情報を警察へ提供し、万引き犯逮捕に至るという快挙も成し遂げている。

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他の防犯システムと比べても優位性がある。カメラに映った怪しい人物のブラックリスト化や、不審行動の検知だけでなく、万引きにつながる決定的行動のみを見つけ出すことができる。

すでに導入を決定している店舗は、以下のコメントを寄せている(リリース文より)。

――40代女性・複数のコンビニ店舗経営者
「当店は実証実験店舗として、VAAKEYEのサービス開発に協力してまいりました。常にAIが店舗を見張っていてくれる安心感があるため、スタッフは万引きについての心配をすることなく接客に集中できています。棚卸しの際、万引きによる商品ロスが減少したことを決め手に、VAAKEYEの導入を決定しました。

今回の正式版の販売により、VAAKEYEを通じて、さらに多くの店舗に安全な環境が提供されることを期待しています」

これまで常に注意を払わなければならなかった万引きへの心配をする必要がなくなり、店員がより接客に集中できる副次効果も生まれているのは、興味深い。

気になる価格は? 犯罪対策へのテクノロジー活用に向けて

出典:VAAKEYE公式サイトより

価格は、月額のサブスクリプションで、カメラ1台につき税込み18,000円。サービス内容としては下記。

  • 防犯カメラ映像内の不審行動・万引き行動の検知
  • 管理画面による検知結果の表示
  • メールによる検知結果の通知
  • 「VAAKEYEによる解析中」ステッカーの配布 等

そのほか、別途初期費用が発生する。

少し古いデータだが、2010年に警察庁、法務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、民間31団体が参加した「万引防止官民合同会議」が発表した、全国の万引きによる被害額は4,615億円(1日あたり12.6億円)となっている。

これには万引き対策に使われている費用は含まれていないため、万引き対策への投資が店舗経営者の財政を圧迫している可能性もある。

店舗経営者は、万引き対策へ使っている人件費や商品ロス率と鑑みた上で導入を検討する必要がある一方、すでに設置されているカメラにも組み込めるため、新しく万引き対策のシステムを導入するよりは遥かに安く収まるだろう。

東京大学特任教授であり、日本ディープラーニング協会の理事長も務める松尾 豊氏は、リリース文で「VAAKEYEは社会的な意義も高い」と語っている。

――松尾
「ディープラーニングは、インターネットに匹敵する数十年に1度の技術です。これからの機械は目を持つようになるとも言えます。万引き防止AI「VAAKEYE」は、この「機械の目」を防犯に活用したもので、事業としての広がりが大きく、そして社会的な意義も高い取り組みだと思います」

2020年には東京五輪も控えており、テクノロジーを使った犯罪対策は喫緊の課題だ。THE AI 3rdで登壇したALSOKによると、警備に当たる人材の不足は深刻な状況にある。

そのため、人でなくでもいい警備業務は早急にテクノロジーに代替していく必要がある。万引き防止のための店内の見回りや、防犯カメラに張り付いて監視するなどの業務は、VAAKEYEを導入すれば人が行う必要はない。