防犯カメラの映像解析で万引きを防ぐAIを開発するVAAK。
映像解析による人物の属性、体の関節、表情、周囲の状況、地域周辺の犯罪発生率や天候など、計100種類を越えるデータを統合的に分析することで、人間行動を解析し、万引きを防ぎます。
>> カメラ × 行動解析で“人の目的”を予測 ── AIによる「正しい監視社会」は来るのか?
そのVAAKが手がけるもう1つの事業が、無人レジ「VAAKPAY」。Amazon GOではゲートや赤外線センサー、重量センサーなどの多くの専用機器を使っていますが、VAAKの無人レジで使うのは“カメラ”だけです。
映像解析AIがカメラを解析して、
- 商品認識
- 客が手に取ったかを認識
- 決済
までおこなってくれます。これの何がすごいかというのは、デモを見ながら説明させてください。
バーコードをカメラにかざすだけ。映像解析AIで入店から決済まで
映像解析だけで無人レジが実現するといっても、あまりイメージがわかない、Amazon GOと何が違うの?という方もいると思います。
そこで、実際に入店して商品を取り、決済が完了するまでの流れをLedge.ai編集部で体験してみました。
① 専用アプリをかざして入店
まずは入店する際に、専用アプリのQRコードをカメラにかざします。
専用QRコード読み取り。
かざすと入店手続きが完了。AIとユーザーが連携されます。
映像解析だけなので、もちろん入店ゲートは必要ありません。バーコードが認識されると、すぐに買い物を始められます。
② 商品を選んで手に取る
実際に飲み物を手にとり、アプリを見るとカートに追加されています。
他の商品もおそるおそる手にとって見ると……
「綾鷹」がカートに追加されました。
③ お店を出ると自動で決済完了
買い物が終われば、あとはお店を出るだけです。
とくに操作は必要なく、あらかじめ登録したクレジット情報などを利用して、自動的に決済が完了します。
何もせずに決済完了
- バーコードをかざして入店
- 商品を選ぶ
- お店を出る
以上のたった3ステップで買い物が終わってしまいました。AIによる映像解析技術があるからこそ実現できる体験。時代の変化を大いに感じさせられます。
カメラのみで完結する無人レジで世界に挑むVAAK
Amazon GOが複数デバイスやセンサーを駆使して無人レジを実現させているなか、VAAKが使っているのは、カメラと映像解析AIだけ。
「VAAKの行動解析技術は、人間行動を映像解析することで得られるミクロ視点のデータと、地域周辺の犯罪発生率や天候などのマクロ視点のデータを統合的に分析しており、人間の行動を検知・予測することに優れています。
これに商品認識を加えることで、無人レジを実現しています。」
無人レジに必要な映像解析AIは、既存の監視カメラなどとも連携可能といいます。
この「連携可能」というのがかなりポイントで、さらにほかのハードウェアやセンサー類も一切必要ない、という手軽さ。
つまり、Amazon GOなどに比べて無人レジ化のコストが相当低い!ということなんです。
「まだ実験段階ではありますが、大手企業をパートナーとして導入を進め、安価な電子決済としても展開していく予定です。米国や中国が先行している領域ですが、日本小売業界の存在感をオールジャパンで強めていきたいですね。」
この実証実験をクリアした暁には、無人レジ化の波が間違いなく押し寄せますよね。
AIをはじめ、新しいテクノロジーの浸透という意味で、日本は米国や中国に遅れをとっている、負けているという声もありますが、VAAKの無人レジは世界からみても最先端の技術であり、Amazon GOよりも一歩先をゆく体験を提供しているのはたしかです。
国産AIスタートアップであるVAAKの実証実験のゆくえと、今後の展開が非常に楽しみです。