株式会社バカンは2023年3月24日、デジタル田園都市国家構想交付金等を活用した樋門・水閘門等情報伝達システムを新たに開発し、鹿児島県薩摩川内市で同日より運用を開始したと発表した。
大雨等の際の情報伝達速度や正確性に課題
近年、各地で豪雨災害が発生しており、被害の拡大を防ぐために迅速かつ適切な情報伝達が必要とされている。薩摩川内市ではこれまで大雨等の際、職員が操作員へ個別に電話連絡をしていたが、職員・操作員双方にとって負担が大きく、情報の伝達速度や正確性に課題があった。また防災力強化の観点で、市民への情報提供の効率化や災害時の対応力強化も求められていた。
樋門・水閘門等情報伝達システムの導入
今回の水閘門等情報伝達システムの導入により、職員・操作員間の水門等管理業務に関する情報伝達がデジタル化され、電話を使わない迅速かつ正確な情報共有が可能になるという。また職員の業務効率が向上し、操作員の負担軽減に寄与することが期待される。
併せて、水門等施設の対応状況がわかる「水門・ポンプマップ」の公開を開始した。市民はQRコード等から「水門・ポンプマップ」にアクセスすることで、操作員が水門等で待機しているのか、開閉等の操作中なのか、現場を離れているのかといった状況をリアルタイムに確認できる。
また地図上に表示されているカメラアイコンから、国や県が公開している河川のライブカメラ映像にもアクセスできる。これにより、より安全な地域社会の実現に寄与することが期待される。
利用ステップ
(1) 市から操作員への連絡:
有事発生時に、市の職員は操作員のスマートフォンに連絡事項の一括配信を行う。操作員が手元のスマートフォンから「確認完了」ボタンを押すことで、市はどの操作員が確認したか一覧画面で確認できる。
(2) 現場での操作員の報告:
大雨等で現場に出た操作員は「到着(現場待機中)」「樋門・水門等の開閉」「ポンプの稼働中・停止中」「離脱(平常)」のボタンを押すことで、ステータス情報を配信する。これにより「水門・ポンプマップ」上のステータスも連動して変わる。
(3) 市民への情報提供:
市民はQRコード等から「水門・ポンプマップ」にアクセスし、水門等の状況をリアルタイムで確認できる。
■株式会社バカン
https://corp.vacan.com/
>>ニュースリリース