IT予算の増額 大企業は52.2%、中小企業は28% 調査でわかった大企業と中小企業の「DX格差」

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画像はUnsplashより

ヴイエムウェア株式会社は6月15日、日本企業の情報システム/IT予算の傾向や投資分野、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関するアンケート調査の結果を発表した。調査期間は4月6日~4月7日。調査対象は企業の経営者・役員412名。調査手法はインターネット。

本調査では、2021年度の情報システム/IT予算を2020年度と比較して「増額する」と回答した大企業は52.2%だが、中小企業は28%に過ぎないなど、大企業と中小企業の「DX格差」の現状が明らかになった。

IT予算を昨年比で「増額」大企業は52.2%、中小企業は28%

2021年度のIT予算で優先的な投資分野
※「わからない、特に考えていない」「無回答」は除く
※上位3つまで回答。n=333

2021年度の情報システム/IT予算は「変化なし」が43.2%、「増額する」は29.1%(2020年はそれぞれ52.9%/29.6%だった)。大企業は2020年度と比較して「増額する」のは52.2%と半数に超えたものの、中小企業は28%にとどまった。

もっとも優先的に投資する分野は「オンライン会議・コラボレーションツール」が19.8%、「テレワーク関連」は11.4%、「セキュリティ・リスク管理」は8.1%。(2020年はそれぞれ12.6%/12.3%/10.7%)。企業は2020年に引き続き場所を問わず働ける環境づくりを推進していく傾向が見られた。

大企業は中小企業よりDXで成果を感じている

DXに関する取り組みにおける、現時点での成果
※n=412

DXの取り組みにおいて現時点で見られる成果は「業務の効率化による生産性の向上」が36.9%、「企業文化や組織マインドの根本的な変革」は27.9%、「既存製品・サービスの高付加価値化」は23.5%、「新規製品・サービスの創出」は17.2%。現時点では、製品・サービスの創出や高付加価値化につなげられた事案はまだ少ないと考えられる。

DXに関する取り組みにおける、現時点での成果(大企業と中小企業)
※n=大企業 103、中小企業 309

大企業と中小企業でそれぞれの割合を比べると、「業務の効率化による生産性の向上」は大企業が52.4%、中小企業は31.7%。「新規製品・サービスの創出」は大企業が30.1%、中小企業は12.9%。大企業は中小企業よりDXでの成果を感じているとわかった。

今後のDXへの対応
※n=大企業 103、中小企業 309

今回の新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の対応にともない「DX推進を前倒しで進める必要がある」とする回答は大企業が42.7%、中小企業は14.6%。この結果からも、大企業と中小企業ではDXに対する姿勢が大きく異なると考察できる。

DX推進の課題「人材育成」が19.3%、「基本方針」は17.9%

DX推進における課題
※n=大企業 103、中小企業 309/複数回答 回答数=大企業 233、中小企業 549

DX推進にあたっての課題は「人材育成が進んでいない」が19.3%、「基本方針が定まっていない」は17.9%、「社内でDX推進をリードできる人材がいない」は15.2%。これらの課題は順序が異なるものの、大企業と中小企業で共通している。DX推進では具体的な推進に入る前の段階において、基本方針の設計が滞るなど、人材や情報が不足している状況が見受けられる。

自社で育成したいIT/DX人材
※n=大企業 103、中小企業 309/複数回答 回答数=大企業 248、中小企業 535

自社で育成したいIT/DX人材は「事業戦略を策定できる人材」「業務プロセスやシステムを企画・設計できる人材」が大企業では同数でトップだった。一方で、中小企業では「システムの保守・運用ができる人材」がトップに輝いた。

クラウド利用の効果を感じているのは7割以上

クラウドの利用状況
n=大企業 103、中小企業 309/単一回答

クラウド利用による効果
※n=大企業 89、中小企業 160(クラウド利用者)/単一回答

クラウドの効果と利用範囲の方向性は「予想以上に効果があった」が8.0%、「ある程度効果があった」は65.1%。クラウド利用の効果を感じているのは、あわせて7割以上におよぶ。「利用範囲を拡大、利用開始」は24.0%、「利用範囲を縮小」は0.7%と比べて、30倍以上の差があった。

クラウド利用範囲の方向性
※n=大企業 103、中小企業 309/単一回答

クラウドの利用範囲を拡大する/利用を開始する理由
※n=99/複数回答 回答数=大企業 125、中小企業 147

クラウド利用範囲の方向性について「クラウドの利用を拡大・開始」と回答した人に理由を聞くと、上位は「ランニングコスト」「セキュリティ」「運用・保守工数の削減」。クラウドの利用をさらに拡大することで、コスト面のメリットに加え、セキュリティへの優先的な投資や、中小企業においてシステムの保守・運用人材が不足などの結果ともつながっている。

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