画像はぱくたそより
西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)とNEXCO西日本イノベーションズ株式会社は、AI技術により撮影画像からひび割れを自動検出できる技術を、高速道路構造物点検にて実用化することを発表した。
NEXCO西日本はすでに、点検技術者による近接目視点検に高解像度カメラを用いた画像撮影システムを導入しているが、本技術の実用化でさらなる効率化を図る狙いだ。
開発背景には、NEXCO西日本が管理する高速道路の約5割が開通から30年を超えたこと、大型車交通量の増加や橋梁(きょうりょう)などの劣化が問題となったことがある。点検対象が増加する中、今いる人員で従来通りの点検をすることに限界があったという。
ひび割れの画像を1万枚、その他の変状を3万枚収集
本技術はNEXCO西日本グループが自社開発したAIを使用。NEXCO西日本はAI構築のために、自社が管理している高速道路建造物からひび割れの画像を1万枚、その他の変状を3万枚集めた。
自社グループの点検スペシャリストが集めた画像内の変状箇所を特定。「ひび割れは黒い、コンクリートは白い」などAIが自動的に数万~数十万の画像特徴をAIが学習することで、撮影画像からひび割れなどを自動検出できるようになったという。
実際にAIが撮影画像からひび割れを自動検出した結果
本技術の活用事例は以下の画像の通り。
高速道路構造物の主な変状は「ひび割れ」「はく落跡」「鉄筋露出」「エフロレッセンス」などに分類できる。ひび割れはひび割れの幅の表示が可能。エフロレッセンスは雨水がコンクリート内に浸透し、コンクリート内の石灰分が打継目やひび割れなどからにじみだし、白く盛り上がったように固まる現象を指す。
ひび割れの検出率・的中率は95%、その他の変状は開発継続
本技術のひび割れの検出率、的中率はともに95%を実現するという。鉄筋露出やはく落跡、エフロレッセンスなど、その他の変状の検出率は93%、的中率は57%で、NEXCO西日本グループは的中率の向上を目指し開発を継続するとしている。
>>ニュースリリース