人の仕事をもっと少なくする。『AIアナリスト』WACULの意外な事業モデル

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おはようございます。実は本業はデータサイエンティストだったりする、編集長の飯野です。

業界的にはすでにかなり話題のAIによるデータ解析。その(多分)さきがけ的な存在である『AIアナリスト』の提供元、WACULの大津さんに今回は突撃取材してきました。

AIアナリストを知らない方のための3行説明

  • GoogleAnalyticsと連携してAIが勝手に改善観点レポートを出してくれる
  • 基本無料で、有料版でも数万円~ というお手軽設定で導入企業も増えている
  • 最近、『人工知能によるサイト未来データ予測』が可能になったらしい

以前Ledgeでも紹介させていただいてますが、とにかく(自分の本業が脅かされる的な意味でも)興味が尽きないこのサービス。気になるあれこれ聞いていきます。

AIが課題への方針を出してくれるサービス。導入しただけで半数は目標達成

ー早速ですが、AIアナリストって具体的に何ができるんですか?

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―大津
画面を自動で出してくれるサービス、なんて風によく勘違いされるんですが、サイトが抱えている課題に対して、解決方針を提案するサービスです。

「提案する」というところが大きな特徴です。サイトが向き合うべき改善提案ですね。

GoogleAnalyticsと連携することでサイトのデータを解析し、課題を特定。課題に対して解決方針を提示してくれるサービスなんだそう。画面を見てみると、なるほどという感じです。

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どの課題に対してどの改善方針をユーザーに提示するか?という部分を機械学習によって実現しているそうです。

自動でデータを分析し、重要な解決方針だけに絞って提示してくれる。とてもありがたいツールなんですが、具体的にどんな施策を打てばいいのか悩んでしまう顧客もいらっしゃるとは思うんですが……?

―大津
AIアナリストというサービスのパッケージには、アドバイザーが含まれています。なのでどんな施策をうつか?というところはシステムではなく、人がついてアドバイスさせていただきます。

ちなみに成果もしっかり出ているそうで、1回目の提案実施で約40%の企業が目標を達成(2回目で約60%)。にも関わらず、アドバイザーの稼働時間はわずか110分程度/月(1社あたり)で対応できているそう。

普通にやったら相当時間のかかる解析コンサル部分を、実質5.5分/日でやってるってことですから、概算工数1/20。(今まで1日1時間程度使っていたと仮定して)

『課題+施策』の対応表(AI学習データ)を内部に持つ特殊な体制だからこそ。ですね。

今やってる仕事をどうすればAIに置き換えられるか?を常に考える

ー対応表を活用すれば、施策の提案まで自動化できちゃいそうな気もするんですが?

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―大津
その通りで、実は自動化できます。今のアドバイザーの業務は、8割型自動化できるかと。

ただ、ポテンシャルとしてはAIで施策まで提案することができるそうなんですが、人が提案をした方が導入企業に受け入れてもらいやすいんだとか。顧客満足度も含めるとアドバイザーはまだ必要なのかな、とおっしゃっていました。

一方で、今後は社会がAIに対するリテラシーが追いついてくれば、アドバイザーすらいらなくなるとは思う、とも。となるとAIで仕事が奪われる……みたいなよく聞くネガティブな話も社内でありそうですが……。

―大津
なんかそれってよく聞く話ですけど、そもそも機械ができるような仕事をやっていて楽しいの?と思っちゃうんですよね。それって全然クリエイティブじゃないと思いますし。

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―大津
なので、弊社では「どうやったら今の仕事がAI化できるか?」ということを常に意識して働いてもらうようにしています。

自分がやっている仕事をAIに任せられるようになったら、その人にもっと高い給与を払おうと思うぐらいです。その人はその人にしかできないもっと上流の仕事にシフトしていくと思いますしね。

今の自分の仕事をどうやったら自分がやらなくて済むようになるか。その観点で毎日を過ごすことで、目標も明確になり、仕事も効率化するそうです。なんだか「仕事が奪われるかも・・・」とネガティブな感情を持つよりずっと前向きで、未来志向な気がします。

情熱があればマーケターは未来を見たくなるはず

ー未来を予測できる、なんて機能も追加されましたが、どんな機能なんでしょうか?

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―大津
このまま施策を打たなかった場合に、サイト上の数値がどんな風に推移するか、という予測を行う機能になります。

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未来予測の裏ではディープラーニングの技術を使ってゴリッゴリの計算を行っているそう。そのサイトの去年のデータから今年のデータを推測できる数理モデルを算出し、今年のデータをインプットとして与えることで、未来の予測をしている……らしいです。

繁忙期など、外部要因による変動も設定できるようになっていて、次の〇〇月は■■%減の予測に修正しておこう、みたいな細かい使い方も可能です。

―大津
ずっと気になっていることがあって。

マーケティングって未来を見ないといけないじゃないですか。なのにみんな過去の事例を見ているだけなんですよね。そこから未来に何ができるか、を考えるべきだと思うんですが。

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確かにそうですよね。目の前のことに追われて、未来をどうしたいか、という観点を忘れがちなマーケターさんってちらほらいるかも。

大津さん曰く、担当者の情熱があれば、未来を見たくなるのは当たり前のことだと。今回の未来予測機能には、そんな大津さんの思いも入っているのだと感じました。

数人でやっているような企業でもポンっと出せるような価格で

ーちなみにお値段を教えてもらうことってできますか・・・?

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―大津
もちろんです。トラフィックによって値段は変わるんですが、一番安いプランだと月4万〜となっています。といっても値段によってサービスの内容は変わりません。

AIアナリストは中小企業をターゲットにしているサービスです。数人でやってるような会社でもポンっと出しやすい値段になっているとは思います。

無料プランでもデータ分析 → 解決方針の提示というところまではやってくれるそう。ただアドバイザーの機能はつかないので、サイトの改善活動を本腰いれてやりたい場合は有料プランを選択したほうがよさそうです。分析施策が打てる人を雇おうとすると、もっとコストがかかると思いますし。

分析の仕方もわからない、わかっていてもそこに当てるリソースがない……なんて企業さんも少なくないと思います。

大津さんも言われていた通り、1ヶ月4万〜であれば、ちょっと試してみようかな?と思える値段だなあ、と。導入企業の約半数は目標を達成できているというデータもありますしね。

お申し込み/お問い合わせはこちらからできます。

これからくるAI時代の働き方

インタビューでは盛り上がってしまい、ここに書けない話もたくさんありました。個人的に一番グサっときたのはWACULの働き方のお話。

経営者観点でいえば、人を雇いたいわけではなく、儲けを出したいんですよね。あくまで儲けを出すために人を雇っているだけで。

その観点にたつと、けっこう人ってコスト面でもリスクがあります。そこをAI化していくというのはビジネスにおいて大きな価値です。

今やっている仕事をどんどんAIに任せて、ビジネスを回す方の人間になる。これがこれからの働き方の視点の一つなのかな……と考えさせられました。

お忙しい中、大津さんありがとうございました!

Twitterなどの口コミ拡散を自動検知する機能も追加されたそうです。ますますAIアナリストから目が離せませんねー。
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