地球温暖化の影響により、台風や猛暑、暖冬や記録的な大雪など、極端な自然災害が増加しており、それらへの対処は喫緊の課題となっています。
そんな中、エクサウィザーズと日本気象協会が、AI活用した気象ソリューションサービスの共同開発を開始したとのこと。
激しさを増す気象を分析し、需要を予測
気象リスクは全産業の1/3に影響を与えるともいわれており、企業にとって気象リスクを考慮した経営は必要不可欠です。
たとえば、
- メーカー
- 卸
- 小売
- 流通
- 外食
- 農業
- アミューズメントパーク
など、天候によってその日の店舗を開くかどうか、工場を可動させるか否か、どのくらいの量を仕入れるかなど、運営が決まる業種も少なくありません。そのため、気象データを活用し、その日の気象を織り込んで計画を立てることは、企業にとって重要な課題となってきます。
日本気象協会は2017年から需要予測を事業として展開しており、そこにエクサウィザーズの機械学習・ディープラーニングなどのAI解析力が加わることで、
- 廃棄ロスの削減
- 機械ロスの削減
- 在庫管理の適正化
といったことが従来よりもさらに高精度で実行できる可能性を秘めています。
エクサウィザーズのAIと日本気象協会のデータ・ノウハウを融合
出典:エクサウィザーズプレスリリースより
気象は多くの疾病に影響を与えることも知られています。企業だけでなく個人にとっても、気象環境を考慮した上で健康的な日常生活を送ることはQOL(Quality of Life)を鑑みても非常に重要といえます。
そこで今回、エクサウィザーズと日本気象協会がタッグを組み、エクサウィザーズの「AIなどのテクノロジー、事業化・サービス化能力」と、日本気象協会が持つ「気象に関するデータ、解析技術などのノウハウ」をかけあわせ、新たなサービスを開発します。
エクサウィザーズによれば、近年激しさを増す気象環境下でのリスク軽減を検討している企業を対象に、まずは「商品需要予測」の分野から展開していくとのこと。
気象データを活用した需要予測は他分野へも普及するか
AIを始めとした技術革新に伴い、これまで解決できなかった複雑な課題を解決できる時代が到来しています。気象の領域においても、AIを活用することで新たなインパクトが期待できそうです。
今後両社は、「ヘルスケア」や「防災」の分野などのさまざまなデータと気象データを組み合わせ、多くの企業や個人が、幅広い領域で活用できる「気象データのAIプラットフォーム化」を目指した共同開発をおこなっていくそう。
気象を予測することで、できることは多くあります。気象データを活用した需要予測が、より多くの業界に普及する第一歩となるか、期待です。
Source:エクサウィザーズと日本気象協会、気象リスクに起因する社会課題の解決を目指し、AIを使った気象ソリューションサービスの共同開発を開始