EDGEMATRIXがNTTドコモ、清水建設、日本郵政キャピタルから9億円の資金調達および協業を発表──週間AI業界資金調達ニュース

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Ledge.aiでは、AI業界の資金調達ニュースを毎週金曜日にお届けする。8月19日〜8月23日のニュースは以下の通り。

先週の記事はこちらから。

AI、ビッグデータによる理工系学生採用サービス「TECH OFFER」運営のテックオーシャンが5,000万円調達

調達額
5,000万円


調達先
ウィーンの森-VLIベンチャー育成1号投資事業有限責任組合
ナントCVC投資事業有限責任組合

テックオーシャンは、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタル、ベンチャーラボインベストメントが運営する「ウィーンの森-VLIベンチャー育成1号投資事業有限責任組合」、南都銀行とベンチャーラボインベストメントが共同で設立した「ナントCVC投資事業有限責任組合」に対して第三者割当増資を実施した。テックオーシャンは、AI、ビッグデータによる理工系学生採用サービス「TECH OFFER」を運営。全国約25,000の大学研究室・大学教員と約100万件の技術キーワードを駆使し、理工系学生とその能力を求める技術系企業とのマッチングを半自動的に生み出す。

サービスは公開約1年間で約100社に導入され、利用ユーザーは工学系、計算科学系の学生を中心として5,000名を超えた。(2019年8月時点)

今回の資金調達により、以下3点の強化を行い、より社会で利用されるサービスとして成長していくという。

  • サービス開発体制と営業体制の強化
  • 人工知能、ビッグデータ活用によるマッチングシステムの強化
  • より多くの学生にサービス利用してもらうためのマーケティングの強化

自動野菜収穫ロボット開発のinahoが伊藤忠テクノロジーベンチャーズなどから資金調達

調達額
非公開


調達先
伊藤忠テクノロジーベンチャーズ
創発計画
dof
複数の個人投資家

自動野菜収穫ロボットを開発するinahoは、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、創発計画、dof、そのほか複数の個人投資家から資金調達を完了した。inahoは自動野菜収穫ロボットを活用したRaaS(Robot as a Service)モデルのサービス展開を進めている。収穫を代表する人の判断が必要な農作業を“AI”と“ロボティクス”でサポートし、ロボットが取得したデータを活用して、人手不足や農業経営の課題解決を目指す。

関連記事:ロボットで収穫作業の9割を自動化へ ──「うちのアスパラ、なんとかできないか」をAIで解決するベンチャー企業

今回の資金調達により、以下の点を中心に強化するという。

  • 自動野菜収穫ロボットの製造及び対応作物の拡大
  • 高度なエンジニア人材の採用
  • 市場開拓やアライアンス強化を目的としたマーケティング施策

EDGEMATRIX、NTTドコモ、清水建設、日本郵政キャピタルから9億円の資金調達および協業を発表

調達額
9億円


調達先
NTTドコモ
清水建設
日本郵政キャピタル

エッジAIに注力するEDGEMATRIX(エッジマトリクス)は、NTTドコモ、清水建設、日本郵政キャピタルから第三者割当増資により9億円を調達。同3社との協業も発表した。EDGEMATRIXは、2019年7月1日に米国Cloudian Holdings Inc.及び日本法人のクラウディアンからAI事業をスピンオフした。今回調達した資金を使い、エッジAIを実現する3つの事業の展開を本格化する。

  1. 「エッジAIデバイス」事業
    エッジでAI処理し伝送できる屋内と屋外用小型装置「Edge AI Box」は、深層学習ベースのAIなどの高速計算処理をするGPUと無線通信モジュールを搭載し、豊富なインターフェースを備える。
  2. 「エッジAIプラットフォーム」事業
    「エッジAIプラットフォーム」は、「Edge AI Box」を含みエンドツーエンドでエッジAIを統合管理するプラットフォームであり、AIを広く普及させる基盤。設置場所を表示し状態管理をするMap View(マップビュー)を使ったデバイス管理、現場の多数映像をAI処理し同時に表示するEdge Vie(エッジビュー)などのサービス管理、AIアプリケーションを配信、管理する機能や、登録・販売を可能とする「マーケットプレイス」を提供する。
    エッジAIプラットフォームは現在開発を進めており、2020年1月以降に試験サービス、同年4月以降に商用サービスを開始する予定としている。

    Map ViewとEdge View:地図と多数映像をエッジAI処理しリアルタイムにブラウザ表示

  3. 「エッジAIソリューション」事業
    「エッジAIソリューション」では、エッジAIを実用化するためのソリューションを提供する。これまで、AIを使った①車種判別による屋外広告
    ②交通量渋滞計測
    ③搭乗者数計測
    ④部品種類判別
    ⑤不良品・不具合検知

    などの数多くのAIソリューションを手掛け、実証実験段階からAIを商用段階に移行する際に直面する多くの課題を解決してきた。これらの経験や知見をもとにしたソリューションを提供するという。

名古屋大学発、拡張知能開発ベンチャーのTRYETINGがシリーズAで約3億円を調達

調達額
3億円


調達先
東海東京インベストメント
豊田合成
日本材料技研
エンジェル投資家など

拡張知能(AI)技術の研究開発およびライセンス販売事業を展開するトライエッティングは、シリーズAラウンドで約3億円の資金調達を実施した。同社はこれまで在庫生産管理AIである「STOCK STREAMS」などの製造業向け製品を開発・販売してきた一方、代表の主要研究分野である「Materials Informatics(MI……AIによる新規ハイテク材料の探索技術)」の事業化に関して注力してきた。製品開発と製造という異なる2レイヤーをMIおよび在庫生産管理AIによって橋渡しする、世界ではじめての試みだという。

今回の調達資金をもとに、同社が取り組む「UMWELT」を土台にしたDeeptech技術の研究開発、およびカスタマーサクセスチームの人員強化を実施し、「ものづくりのまち・愛知から」をキーワードに、製造業をはじめとしたものづくり企業に寄り添えるように、顧客基盤をさらに拡大していくという。

ライナフ、東急不動産ホールディングスから資金調達を実施し累計調達額10億円超え

調達額
非公開


調達先
TFHD Open Innovation Program

スマートロックなど不動産管理サービスを開発するライナフは、東急不動産ホールディングスが運営する「TFHD Open Innovation Program」から資金調達を実施した。これにより、累積資金調達額は10億円を超えた。ライナフは、「不動産に確かな価値を」をビジョンに掲げ、スマートロックをはじめとするIoT製品「NinjaLockシリーズ」と、スマートロックを活用した無人の内覧予約サービス「スマート内覧」や、AIが自動応答する物件確認電話システム「スマート物確」など、不動産業務を効率化するサービスを複数展開している。

今回の資金調達を通じ、同社はは東急不動産ホールディングスグループと連携を図りながら、不動産管理の新しい仕組みや、不動産業務のIT化により一層取り組んでいくという。