機械学習の自動化によるAIの民主化を目指すDataRobot、2億600万米ドルを調達──週間AI業界資金調達ニュース

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Ledge.aiでは、AI業界の資金調達ニュースを毎週金曜日にお届けする。9月16日〜9月20日のニュースは以下の通り。

先週の記事はこちらから。

理系学生をスカウトできる新卒採用サービス「LabBase」を運営するPOLが10億円資金調達、マーケティングと人員強化へ

調達額
10億円


調達先
Spiral Ventures Japan
サイバーエージェント
Beyond Next Ventures
BEENEXT
PKSHA Technology

POLは理系学生をスカウトできる新卒採用サービス「LabBase」や全国の大学研究者と企業のマッチングを図るサービス「LabBase X」を提供している。学生や研究者と企業のマッチングにはAIが活用されており、人力では難しかった高度なマッチングを可能にした。今回の資金調達によって、LabBaseの事業成長に必要な以下の2点を行うという。

  • マーケティング強化による優秀な理系学生との出会いを求める優良企業の利用拡大
  • 人員強化によるマッチング精度向上、サービス開発、サポート拡充

今後も研究関連市場に山積する

  • 研究費不足
  • 研究者のキャリア・待遇の問題
  • 産業界とアカデミアの大きな溝

といった課題を解決するため、LabBaseやLabBase X以外にもLabTech(研究×Technology)事業群を創出していく方針だ。

モビリティー事業と不動産事業のIBIが4億円資金調達、AI配車アプリの強化へ

調達額
4億円


調達先
グロースポイント・エクイティLLP
XTech Ventures株式会社

IBIは従来のモビリティー事業や不動産事業にITを活用することで、新しい価値を創出するリノベーションを行なっている。今回の資金調達によって

  • 自社のAI配車アプリの強化
  • M&Aの推進

を行い、モビリティー事業において日本版ライドシェアの実現を目指すとともに、不動産事業の強化も行うことでグループの成長を加速させるという。

機械学習の自動化を生み出したDataRobot、2億600万ドルの資金調達を達成

調達額
2億600万ドル(約220億円 9/20現在)


調達先
DFJ Growth
Geodesic Capital
Intel Capital
Sands Capital
Tiger Global Management
World Innovation Lab
Alliance Bernstein PCI
EDBI
NEA
Meritech

DataRobotは、あらゆるレベルのユーザーが機械学習を迅速にビジネスへ活用するためのエンタープライズ機械学習プラットフォームを提供している。本社はマサチューセッツ州ボストンで、フォーチュン50掲載企業の3分の1がすでにDataRobotを導入し、以下のような成果を上げている。

  • 売上高や収益の増加
  • コスト削減
  • 顧客満足度向上
  • テクニカルチームの生産性向上

日本でも明治安田生命保険相互会社、ヤマトホールディングス株式会社、パナソニック株式会社、三井住友カード株式会社など幅広い企業でDataRobotは導入済みだ。今回の調達した資金はDataRobotの継続的な開発と戦略的買収に用い、成長の勢いをさらに加速させる方針だという。

東大発AIスタートアップのArithmerが14億5000万円を資金調達

調達額
14億5000万円


調達先
株式会社ジャフコ
株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー
豊田通商株式会社
三井住友海上キャピタル株式会社
三井住友信託銀行株式会社
など

Arithmerは2016年に設立された東京大学大学院数理科学研究科発のベンチャー企業で、AI-OCR、AI画像解析、AIチャットボット、AI統合データベース、スマートロボットといった、最先端高度数学を応用したAI・IT技術を開発している。

AI-OCR、AI画像解析の分野では、三井住友海上火災保険株式会社と提携し、事故車両画像からの損傷判定システムなどを開発している。AIチャットボットの分野では、株式会社徳島銀行向けに業務AIチャットボットを開発。スマートロボットの分野では、再生医療分野におけるバイオ実験と人工知能(AI)ロボットの融合開発に関する契約を株式会社大塚製薬工場と締結し、開発を進めている。

今回の資金調達により人員増強を行い研究開発体制を強固なものにし、AI・IT技術開発のスピードを上げ、特に需要の多いAI-OCR、AI画像解析、AIチャットボット分野での成長を加速させる方針だ。

3日には豊田通商と業務提携契約を締結しており、豊田通商が進めているデジタル変革をArithmerのAI技術とソリューション企画・開発力でサポートするという。