AI(人工知能)搭載アプリはどこまでできる?|現状や種類をリサーチしてみた

AIアプリ
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時は第三次AIブームの真っ只中。探求・推論から始まり、機械学習とディープラーニングによって、AIは飛躍的な進歩を遂げています。主に軍需や企業で活用されてきたAI技術も、今やさまざまな形で私たちの暮らしへ浸透してきています。

自動運転、siriの音声認識やカメラの画像認識などの技術が有名ですが、なかでも「スマートフォンアプリ」は、AIを身近に感じることのできるものの1つではないでしょうか。今回は、AIとの会話が楽しめるアプリや、AIが画像加工を手助けしてくれるアプリなど、アプリを通じてAIが私たちの生活をどれほど豊かにしてくれるのかをご紹介します。





AI(人工知能)搭載アプリとは?|増え続ける数と活用技術

application出典:Photo by Pixelkult on Pixabay

AI搭載アプリの数は100種類以上

総務省が発表したデータによると、2019年における世界のモバイル向けアプリダウンロード数は311億以上と予想されています。これはゲームを除いた数で、最近ではAIを搭載したアプリも増えてきています。

実際、Google PlayやApp Storeで「AI」、「人工知能」というキーワードでヒットするアプリの総数は数100種類にものぼります。単純な制御プログラムをAIと謳っているものもあれば、本格的なディープラーニングを組み込んである人工知能もあり、いろんな形で我々の暮らしにも活用され始めていることがうかがえます。

AI搭載アプリに使われている技術

音声認識
コンピュータにより音声データをテキストデータに変換する技術です。スマートスピーカーなどのCMで「OK Google、テレビをつけて」といったシーンをご覧になった方も多いのではないでしょうか。それも音声をテキストデータに変換した後、いつも検索するときのようにシステムが入力内容に基づいた結果を出力します。

自然言語処理
人間の言語(自然言語)を機械で処理する技術です。音声認識と組み合わせることで、音声→テキスト→認識という流れで情報が処理され、人工知能による判断が行えるようになります。

画像認識
画像の特徴をコンピューターが読み取り、対象を識別する技術です。古くは1940年代に発明されたバーコードも画像認識にあたりますが、機械学習とディープラーニングの登場により近年は人間以上の精度で対象を識別することも可能になりました。

AI搭載アプリの種類

application出典:Photo by Peggy und Marco Lachmann-Anke on Pixabay

AI搭載アプリはいくつかの種類に分類されます。主に会話やテキストメッセージなどの音声やコミュニケーションに関わるもの、検索や加工などの画像に関わるものなどさまざまな活用方法が見い出されています。

話し相手系

話し相手系のアプリには、音声認識・自然言語処理などの技術が応用されています。

感情日記AI「emol-AI」
Emol出典:App Store

emol株式会社が提供するAIアプリ「emol-AI」。「ロク」とよばれるAIに対しチャットで会話をします。特徴はユーザーの感情を記録すること。ユーザーの発言を分析し、「うれしい」「かなしい」といった9つの感情に対してAIが返事をします。アプリではそのときの感情を毎日記録してくれるので、日記のように自分の過去の感情を振り返ることができます。

AI育成アプリ「人工無脳と会話するアプリ」
人工無脳と会話するアプリ出典:App Store

最初はつたない日本語ですが、会話をするごとに言葉を覚えていくAIアプリです。最大の特徴は同時に複数のAIを育てられること。「ひろば」というチャットルームでチャットをすると人工無能同士でも会話が発生します。「人工無脳」というと少し聞き慣れない方も多いと思いますが「チャットボット(ChatBot)」という言葉であればご存じの方も多いのではないでしょうか?

キャラクター会話アプリ「SELF」
SELF出典:App Store

SELF Inc.が提供するAIアプリです。美少女やイケメンといったキャラが登場し、会話をすることで返答の精度が上がっていきます。このアプリにおける最大の特徴は課金システム。アプリ内登場キャラの「小瀬あい」は、3日で記憶がリセットされる仕様になっており、記憶を維持してもらうには、週180円の課金が必要になります。好きなキャラクターの記憶をとどめるため、実際に多くのユーザーを課金に導いたという面白いビジネスモデルが話題になりました。

女子高生AI「りんな(LINE)」
りんな出典:https://www.rinna.jp/platform/line

コミュニケーションアプリ「LINE」の会話ボットとして2015年に登場したりんなは、女子高生という設定の人工知能キャラクターです。マイクロソフトが2014年に中国で開発していたXiaoiceという女性型会話ボットの第二弾として日本で生まれました。ディープラーニング・機械学習・音声認識・自然言語処理など多くの技術が応用されており、まじめなsiriやcortanaに比べてたまに変な返事をするところが、面白い友達というイメージにつながり若者の間で人気です。しかし、多くの会話データを学習した現在は、「Rinna Character Platform」として外販が開始され、最近では「pepper for Home」に搭載されpepper君との長い会話が楽しめるようになっています。また、リアルすぎると話題になった3D女子高生「saya」に搭載され、実際に女子校で授業を行ったりもしています。

画像検索・認識・加工系

画像検索・認識・加工系のアプリには、画像認識・機械学習などの技術が応用されています。

写真加工アプリ「SNOW」
SNOW出典:SNOW

韓国のインターネット企業NAVERの子会社が提供するアプリ「SNOW」。自撮り写真を美白化したり目の大きさを変えたりする、画像加工系アプリです。このアプリでAI技術が使われているとは意外に思われるかもしれませんが、動画上にある人間の顔を瞬時に認識し、その動きに合わせて犬や猫といったキャラクターと合成する技術は紛れもなく画像認識を用いたAI技術によるものです。

機能の1つに「そっくり診断」というものがあり、自分の顔と似ている芸能人を診断してくれます。ネット上にある芸能人写真を取り込み、ユーザーの顔と照合し似てる確率を計算してそっくりな人を診断します。TV番組「おしゃれイズム」では、俳優の藤木直人さんがそっくり診断で本人と判定されたのが話題になりました。

検索先生「Google Lens」
Google Lens出典:Google Play

ディープエフェクト機能とAI技術を使い、写真や動画に映っている登場人物の顔を自分の顔に取り替えることが可能。非常に高い精度を持つアプリで瞬く間に無料アプリのトップにのぼり詰めましたが、ユーザーが使用した顔写真のライセンスが「永続的に開発元に移行し、さらには取消不可、譲渡可能、再ライセンスもあり」といったとんでもないプライバシーポリシーが発覚したことで非常に大きな問題となりました。2019年12月現在プライバシーポリシーは改善されています。

メーター点検AI「hakaru.ai」
hakaruai出典:https://iot.gmocloud.com/hakaru-ai/

ガスや水道のメーターをスマホで撮影するだけで、読み取り・集計・台帳記入の流れを自動化できるというすぐれもの有料アプリです。点検業務は今まで人手で行われていたため、ミスや時間コストがかかっていましたが、スマホで撮るだけで作業が終わるので大幅な効率化が行えます。

ドラレコAIアプリ「スマートくん」
スマートくん出典:https://smartkun.neuralpocket.com/

スマートフォンにインストールするだけで、AIの画像認識機能搭載のドライブレコーダーとして使えるアプリ。常時録画・車間距離計測など従来のドラレコ機能はもちろん、AIによる動作感知・車両周辺の物体検知がすべて無料で利用可能。
2019年現在はiOSのみ、2020年にAndroid対応予定。

勉強サポート系

勉強サポート系のアプリには、自然言語処理・機械学習などの技術が応用されています。

AI×TOEIC「SANTA TOEIC」
Santa TOEIC出典:https://santatoeic.jp/intro

アジアを中心に人気が高い、有料TOEIC学習アプリです。1億問以上の回答データを学習した独自開発AIが、問題を解いていくと学習者の理解度・弱点・TOEICスコアを正確に分析し、学習者に最適なカリキュラムを構築してくれます。

英語学習「cooori」
cooori
出典:https://www.cooori.com/

株式会社コーリジャパンが提供する英語学習システムがcoooriです。coooriに搭載されている独自開発AI「3O(スリーオー)」が収集した英語学習者データは通算で7万時間以上で、およそ8年分にも及びます。駅前留学から始まった英会話の勉強手段もついには第7世代といわれ、AIがユーザーのレベルを把握し、適切な問題や効率的な勉強方法を提供する専属トレーナーの時代に入っています。その筆頭がcoooriです。

AIアプリはこれからどうなる?

AIアプリの未来出典:Photo by Brendan Church on Unsplash

人気アプリの傾向から見えたのは、話し相手やちょっと気になったことを検索したりするなど、人々はAIに万能さを求めているのではなく、感情や生活のちょっとした隙間を埋めてくれることを望んでいるようにも見えます。

さらなるサービス向上のためにも、人々の生活データは欠かせません。しかし、現代はプライバシーポリシーに見られるように、個人情報の機密性に焦点が当てられています。その一方で、先日都内のIT企業が月20万円の報酬の代わりに、私生活のすべてをビデオカメラで記録するというプロジェクトの募集を行ったところ、1,300人を超える申し込みがありました、「たとえ浴室以外に死角がなくても」です。この結果を踏まえると、今後は価値ある商品として、個人が自分の個人情報を売るようになる時代がくるかもしれません。

このような個人情報を自主的に提供できるユーザーの増加に伴い、AI市場も発展を加速させるでしょう。集められた生活情報からAIがよりユーザーを知ることで、ひとりひとりにパーソナライズされた総合AIアプリが台頭してくる未来も、そう遠くない気がします。