ダイキン、空調機器の不具合監視AIを開発 製品対応・改善のサイクルを1年以上も短縮

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ダイキン工業株式会社と、東大発のAI(人工知能)企業である株式会社JDSCは3月1日、空調機の不具合監視と運転異常予兆を検出するAIを共同開発し、試験運用を通じて業務効率化や製品対応・改善のPDCAサイクル高速化の効果を確認したことを発表した。今後、業務への本格適用とさらなる高度化を目指すとしている。

両社は2020年10月の資本提携以降、IoTデータとAIを用いた空調事業のアップグレードと顧客体験の向上に共同で取り組んできた。

今回共同開発した市場投入製品の不具合を監視し、運転異常予兆を検出するAIは、2021年夏から実際の業務にて試験運用を開始した。検証の結果、不具合監視AIは発生した事象や顧客の声を製品対応・改善に生かす一連のPDCAサイクルを、従来比で1年以上短縮することに成功した。また、運転異常予兆検出AIは従来検出できなかった故障要因や予兆の検出に成功し、その有効性と効果を確認できた。

ダイキン工業では、市場投入製品に対する顧客の声や発生不具合を振り返り、新たな製品開発に反映することで、より良い顧客体験へつなげている。これまで、人の手で大量の投入製品に対するさまざまな発生事象や顧客の声を分析していた。ビッグデータの統計解析や学習にはもとづいていなかったため、的確な判断に多くの時間がかかっていた。

今回の協業では、過去の不具合とそれにともなう製品対応のデータを学習したAIを開発した。本AIが市場対応情報(入電情報や発生不具合など)から、製品対応や設計上考慮するべき事象を警告し、人の判断をアシストするシステムを構築した。2021年夏に本システムを業務に適用したところ、従来の製品対応・改善のPDCAサイクルに比べて1年以上早く、対応が必要な不具合をフィードバックできることが確認できた。本システムは家庭用のみでなく、業務用空調機にも適用を開始し、ダイキン工業としてより良い製品を提供していくことに生かすという。

これまで、空調機の不具合発生時は機器の設置現場での確認が必須な上、現地確認でも分からない異常もあり、顧客の不便につながっていた。今回の取り組みでは、遠隔で取得・解析可能となった運転データを活用するため、人の手では解析に時間がかかっていた膨大な運転データを大規模で高速に解析できる解析基盤を構築した。

また、従来ではわからなかった一部異常の発生予兆の検出や、異常箇所の特定を可能とするAIを構築した。これによって、より効果的に顧客へ対応でき、業務効率の改善も期待できる。今後も機能を拡張していき、2022年春から現場での検証を予定している。

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