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Model Context Protocol(MCP)プロジェクトは2026年8月22日、今後6〜12カ月の開発方針を示す新たな[ロードマップ]を公開した。MCPは、Linux Foundation傘下のAgentic AI Foundation(AAIF)でホストされている。 今後6〜12カ月を見据え、AIエージェントの非同期処理やID管理、大規模なツール群の探索など5領域を優先する。 MCPは、AIモデルを外部のツールやデータ、アプリケーションなどと接続するためのオープンなプロトコルである。今回のロードマップは、MCPのCore MaintainersがMaintainersやWorking Groupsのコミュニティと策定した。 ## 今後6〜12カ月、5つの領域を優先 新ロードマップで示された優先領域は、「Agentic Messaging Primitives」「HTTP-Native Transport Unification and Hardening」「Agent Identity and Enterprise-Ready Security」「Improved Primitives」「Improved SDK Developer Experience」の5つ。 **MCPの新ロードマップで示された5つの優先領域** ![roadmap mcp.jpg] :::small 画像の出典:[Model Context Protocol公式ブログ]{target=“_blank”} ::: 「Agentic Messaging Primitives」では、従来型のリクエストとレスポンスだけでは扱いにくい、長時間動作するAIエージェントなどを想定する。サーバーからクライアントへ処理完了などを知らせるWebhooksやChannelsを含むイベント機構の整備や、「Tasks」拡張の仕様本体への取り込みに向けた作業を進める。 「HTTP-Native Transport Unification and Hardening」では、MCPの通信方式をHTTPベースでさらに統一する。ローカルサーバーでもStreamable HTTPを利用する「HTTP over stdio」や、ETagを利用したキャッシュなどが優先項目として挙げられた。 ## AIエージェント自身のIDや権限委任を標準化へ 「Agent Identity and Enterprise-Ready Security」では、AIエージェント自身のIDをMCPサーバーが認識・信頼できる仕組みを整える。 現在のMCPの認可は、人間がブラウザ上でアクセスを承認するケースを基本としている。一方、クラウド上で稼働するAIエージェントが独自のIDを持ってアクセスしたり、ユーザーに代わって操作したり、さらに権限を絞ったサブエージェントへ処理を委任したりするケースが増えている。 ロードマップでは、DPoP(Demonstrating Proof of Possession)の仕様整備と普及のほか、Workload Identity Federation、ID-JAG、標準的なトークン交換などを利用したエージェントIDと権限委任の仕組みを検討する。 ## 大量のツールを最初から読み込まず、必要に応じて探索 「Improved Primitives」では、MCPで利用頻度の高いツール呼び出しの改善を進める。 現在のMCPでは、サーバーに多数のツールが登録されている場合、クライアントがそのカタログを事前に取得する必要がある。ツール数が増えるほどモデルが扱う情報量が増え、適切なツールの選択も難しくなるという。 このためMCPでは「Progressive discovery(段階的探索)」の開発に着手する。最初からすべてのツールやリソースを提示するのではなく、会話や処理内容に応じて必要なものを段階的に発見できる仕組みを目指す。 また「tools/call」で構造化データと非構造化データの扱いが実装ごとに分かれている問題を整理し、より一貫した結果形式を定義する方針だ。 ## SDKの生成も検証、ロードマップに沿う仕様提案は優先審査 5つ目の「Improved SDK Developer Experience」では、MCPのSDKやクイックスタートなどを仕様と整合しやすくする。 仕様と適合性テストを基にTier 1 SDKとサンプルを生成する実験を行い、どの部分を従来型のコード生成で作り、どこにAIモデルを活用した生成を取り入れるべきかを検証する。 MCPは2026年3月にもロードマップを公開し、「Transport Evolution and Scalability」「Agent Communication」「Governance Maturation」「Enterprise Readiness」の4領域を優先していた。その後、7月28日の仕様更新ではプロトコルレベルのセッションや初期化ハンドシェイクの廃止、キャッシュ対応、認可機能の強化などが実装された。 今回のロードマップでは、これまで今後の課題として扱われていたサーバー起点のイベント、エージェントID、結果形式の改善などが新たに主要な優先領域へ移った。 なおロードマップは確定した実装計画ではなく、今後6〜12カ月についての現時点での方向性としている。一方、5つの優先領域に該当する仕様改善提案「SEP(Specification Enhancement Proposal)」については、優先的にレビューし、採用される可能性も高くするとしている。 :::box [関連記事:Anthropic、AIエージェント標準「MCP」をLinux Foundation傘下へ移管──Agentic AIの共通基盤化へ] ::: :::box [関連記事:Anthropic、AIシステムと外部データソースを統合する「Model Context Protocol」を発表] ::: :::box [関連記事:Google、MCPを全サービスに展開──Gemini時代の「AI×クラウド接続」を標準化] ::: :::box [関連記事:Vercel、AIエージェント向け共通プラグイン規格「Agent Plugins」公開 SkillsとMCPを一括配布] ::: :::box [関連記事:Microsoft、Build 2025でAIエージェント戦略の本格展開を発表——xAI「Grok 3」などをAzureに追加し利用可能モデル数は1,900超に、MCPも積極推進] :::