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OpenAIは2025年3月11日(米国時間)、開発者や企業向けに、AIエージェントの開発を支援する新たなツール群を[発表]{target=“_blank”}した。 今回の発表では、従来のAPIを進化させた「Responses API」と、複数のエージェントを連携・管理する「Agents SDK」が中心となる。これにより、AIエージェントの開発が大幅に簡素化され、実用的なユースケースでの導入の加速が期待されるという。 ## Responses API:複雑なタスクをシンプルに処理 Responses APIは、従来のChat Completions APIとAssistants APIを統合した新しいAPI基盤である。1回のAPI呼び出しで、以下のような複数のツールを活用し、マルチステップのタスクを簡単に処理できる。 - Web検索:最新の情報をリアルタイムで取得し、引用付きで回答を生成 - ファイル検索:大量のドキュメントから関連情報を抽出 - コンピュータ操作:ブラウザやGUIアプリケーションをAIが直接操作し、業務を自動化 特にWeb検索機能では、GPT-4oおよびGPT-4o miniを使用し、情報の正確性を測るSimpleQAベンチマークでそれぞれ90%、88%の高スコアを達成。これは、検索機能を持たないGPT-4.5の63%を大きく上回る結果となっている。 ![responce api simpleqa.jpg] :::small 画像の出典:[OpenAI]{target=“_blank”} ::: Responses APIは、標準のトークンおよびツール使用料金で提供され、既存のAssistants APIの完全な後継として、2026年半ばにはAssistants APIが廃止される予定だという。 ## Agents SDK:エージェントの連携と管理を強化 Agents SDKは、従来の「Swarm」フレームワークの後継となるオープンソースツールで、エージェントのワークフロー管理やオーケストレーションを簡素化する。主な特徴は以下の通り: - エージェントの設定:事前に指示を与えたLLM(大規模言語モデル)をエージェントとして定義可能 - タスクのハンドオフ:異なるエージェント間で処理を自動的に引き継ぐ仕組み - ガードレール:エージェントの出力を検証し、安全性と品質を確保 - トレーシングと可視化:エージェントの処理状況を可視化し、デバッグや最適化を容易に このSDKを活用すれば、カスタマーサポート、コンテンツ生成、業務自動化など、複雑なワークフローを持つAIエージェントの開発が容易になる。たとえば、企業が導入するAIアシスタントが、初期対応エージェントが顧客の問い合わせを受け、専門的な質問を別のエージェントに引き継ぐといった高度な処理を実現できるという。 Agents SDKは、OpenAIのモデルだけでなく、AnthropicやGoogleのLLM、オープンソースモデル(DeepSeek、Qwen、Mistral、Llamaなど)とも互換性がある。開発者は既存のAIインフラを活用しながら、より高度なエージェントシステムを構築できるとのこと。 @[YouTube] ## 今後の展望 Responses APIとAgents SDKのリリースにより、OpenAIは開発者がより高度なAIエージェントを構築できる環境を提供した。Web検索やファイル検索を活用した情報収集、コンピュータ操作を含む自動化タスクの実行が可能となり、企業の業務効率化が加速すると期待される。 OpenAIはこれらのツールを「AIエージェント開発の第一歩」と位置づけており、今後も新たな機能を追加する予定だ。特に、Responses APIが既存のAssistants APIを代替することで、開発の柔軟性が向上し、AIエージェントの普及がさらに進むと見られる。 :::box [関連記事:OpenAI、AIエージェント「Operator」をProユーザーに提供開始 Plusユーザーには「Deep Research」機能を月10回まで提供拡大] ::: :::box [関連記事:OpenAI、フリーランスエンジニアの実案件に基づく新AIベンチマーク「SWE-Lancer」を発表 – 最新LLMは総額100万ドルの案件のうち30~40万ドル分のみ完了] ::: :::box [関連記事:AIエージェントとは|マニアックなプロンプトエンジニアリングはいらない 注目の生成AI活用トレンド]{target=“_blank”} :::