先日ネットで面白いサイトを見つけました。それは「衝撃!人工知能が判断した乃木坂顔面ランキング」と題して、日本の有名アイドル乃木坂46の顔をAIに分析させ、ランキングを出しているという内容。
割と明確な人気順があるアイドルなので、ランキングについては賛否両論あると思いますが、それより面白いのが、人間の顔の良し悪しをAIが判断してるという点です。
人の見た目の点数を出している、そのAIの名は『Deeplooks』。その名に関連してディープラーニングの技術が用いられているみたいです。気になったので調べてみました。
Deeplooksとは
そもそもどういう人たちがどういった理由で人の見た目を評価するなんていうAIを作ろうとしたのでしょうか。作っているのはPARTYというクリエイティブラボ。Deeplooksのホームページを見てみると、Concept欄には
たとえば、人の見た目の「美しさ」や、食べ物に対する「おいしそう」のような、主観的で数値化できないような概念も、独自の数値化システムを利用することにより、一般的な社会での評価に近い形で数値化することが可能です。
エンターテインメントから実用的な用途に至るまで、さまざまな分野で「見えなかった価値」を見える化していきます。
とあります。
単純に人の美しさを計るだけではなく、人間の主観でしか評価できないようなことも、人々の一般評価に近い形で数値化するということができるんですね。可能性の広がりは無限大にありそう。これはぜひビジネス活用してほしい技術ですね。
現状トライアルできるのは人の顔の美しさを評価するAIのみのようです。男女問わず美しさが判定できます。早速試してみましょう。
5点満点中何点?試しに使ってみた
まずは、昨年度の世界の美しい顔ランキングで、日本人でもっとも高い、世界6位にランクインした石原さとみさんで試してみようかと思います。結果はこの通り。
さすがです……5点満点中5点。やはり美しい人はAIにもしっかり認識できるようです。
それではこちらはどうでしょう? 吉本芸人ブサイクランキングで殿堂入りを果たした山里亮太さんでやってみます。(個人的には大好きな芸人さんです)
結果はこの通り。こういった具合に如実な差が……ただ精度は間違いないようです。
次に人ではないところで試してみます。名古屋の有名なイケメンゴリラ、シャバーニくんだとどうでしょう?
結果は……?
残念ながら顔を認識することができませんでした。ちゃんと人に対して認識を行なっていることがわかります。
それなら人間の顔に限りなく近いものだとどうでしょう?バービー人形でやってみました。
出ましたね! そしてなかなかの高得点を叩き出しました。人形でも人間に近い顔つきなら認識されるようです。
いろいろやってみた結果、点数の出方は、私たちの主観と限りなく近い感じがします。なかなかにおもしろい。
見えないモノを見るテクノロジー!?単なる美人判定マシーンじゃないのかも
ということで、人間の顔を点数表示してしまうというとんでもないことをやってのけたのがこのDeeplooks。これはどんなアルゴリズムかというと、
- 数万に及ぶ顔画像に対して点数付け
- ディープラーニングを用いて機械学習
- 「両目の間隔」、「鼻と口の位置関係」、「瞳の大きさ」などの美しいとされるファクターを自動抽出
- 総合的に美しいと言えるモデルを作り、美しさを自動判断する
とのこと。総合的に美しいとされる顔をAIに教え込み、人間各人の主観でしか判断できなさそうな所をより人々の主観に近い形で一般化する。人の美しさの見える化が可能になるわけです。
一方で、美しい顔なんて人それぞれ好きなタイプの顔があるし、美しさなんて国や文化によって違うんじゃないか、というツッコミもできますよね。開発元もそこは承知のようで、
とあります。その辺を絶対的な基準を決定するのは確かに難しそうです。
しかしこのDeeplooks、人の顔の美しさだけでなく、いろいろな分野でも活用できるそうなんです。デモで使えるのは人の顔の点数表示までですが、たとえば、食べ物に対する見た目の「美味しそう」という感覚をDeeplooksを用いて数値化できるというのです。食べ物の色彩や形をちゃんとAIで識別できれば、冷蔵庫にでも画像認識AIを導入して、食材の新鮮さなどが数値化できる、なんてことも。
活用可能性はほかにもあります。Deeplooksの開発元であるPARTYが紹介している活用可能性の事例は以下の通り。
こんなことまでできるとは……見えなかった価値を見える化できる。Deeplooksはビジネスでも活躍していきそうです。
これって良いのか悪いのか?それでもやはり画像認識はすごい
いかがでしたか?Deeplooksは顔の美しさを採点するというエンタメ寄りのコンテンツかと思いきや、実はいろいろな分野へ応用可能性を持つ、ポテンシャルの高いツールでしたね。
人間は視覚に頼る部分が大きいですが、DeeplooksのようなAIが人間の価値基準を学習すると、人間の目を通さずともモノの良し悪しが判断できるようになります。なのでこれからは一層、本質を見抜く力が大事になるということかもしれないですね。
とはいえ、こんな懸念も跳ね除けるようなビジネスポテンシャルを持っているのがDeeplooks。将来いろいろな場面で使われていきそうですね。