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2025/7/5 [SAT]
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ハリウッドで著作権クリーンなAIの活用が本格化、制作会社Asteriaの映像生成AI「Marey」実案件投入進む

米映画監督ブリン・ムーザー氏率いる制作会社 Asteria が開発した映像生成AI「Marey」の本格的な活用が進んでいるという。2025年6月28日付の[The Verg]{target=“_blank”}によると、Mareyは著作権許諾済み素材のみを学習データに用いる“クリーンAI”として位置づけられており、既にミュージックビデオや長編映画への適用が始まっているいう。 ![the verge asteria marey.jpg] :::small 画像の出典:[2025年6月30日のThe Vergeより]{target=“_blank”} ::: ## 実運用フェーズに入る Marey The Vergeによると、Mareyはアーティスト Cuco のミュージックビデオ制作において60枚のイラストを学習させ、同じタッチのアニメーションカットを自動生成しながら制作日数を35%削減したと伝えている。また俳優・監督の Natasha Lyonne 氏が手がけるSF映画「Uncanny Valley」では、実写映像とゲーム的表現を融合するシーンで [Marey を活用]{target=“_blank”}し、プロジェクト固有のスタイルを保持した映像生成が進められているという。 ## 著作権を意識したモデル構築 Marey は2024年12月に Asteria とAI研究企業Moonvalley により「業界初のクリーンAIモデル」として[発表]{target=“_blank”}されている。すべての学習素材について許諾契約を取り交わし、さらにブロックチェーンで改ざん不可能な台帳を作成する仕組みを整備。これにより、生成物の由来を追跡できる透明性を確保しており、従来型の大規模生成AIが抱える無許諾データ利用の問題を回避できるとされる。 さらにMareyでは素材を提供したクリエイターに対して、前払使用料に加え、推論回数に応じたロイヤルティを分配するモデルを採用。制作会社やアーティスト側が自分のスタイルをAIに学習させながら収益化できる仕組みとしても期待されている。 ## ハリウッドのAI活用と今後 The Vergeのインタビューでムーザー氏は「AIは道具にすぎず、最終的なクリエイティブの決定は人間に残すべきだ」と述べている。映像制作ではピクセル単位の微細な修正や構成の判断が依然として必要であり、人間とAIの役割分担を見直す段階にあるとの認識を示した。 ハリウッドでは近年、AIによる著作権侵害や肖像権問題を背景に、俳優組合や脚本家組合がAI利用の透明化を求める声を強めている。ディズニーやユニバーサルによるMidjourney提訴など著作権訴訟も相次ぎ、AIモデルにおけるクリーンデータ活用の必要性は高まっている。 :::box [関連記事:OpenAI「Sora」をハリウッドに売り込み中か] ::: :::box [関連記事:Midjourney、同社初のAI動画生成モデル「V1」を公開] ::: :::box [関連記事:「AIが生成した脚本は著作と見なさない」─ ハリウッド脚本家スト交渉での提案] ::: :::box [関連記事:Google、生成AI新モデル「Veo 3」「Imagen 4」「Flow」を発表] ::: :::box [関連記事:アカデミー賞が生成AI使用に初の指針明文化、「人間の創造性」を重視] :::

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