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2025/10/19 [SUN]
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Spotify、Sony・Universal・Warnerの3大レーベルと提携──“アーティスト優先”のAI音楽製品を共同開発へ

Spotifyは2025年10月16日(現地時間)、Sony Music Group、Universal Music Group、Warner Music Groupの3大レーベルに加え、ライセンス大手Merlinおよびデジタル音楽企業Believeと提携し、「アーティスト優先(Artist-First)」のAI音楽製品を共同開発すると[発表]{target=“_blank”}した。AI技術の拡大を受け、アーティストやソングライターの権利を尊重しながら、透明性と倫理性を備えた“責任あるAI”の活用を進める。 ## 主要レーベルと連携、AI時代の「共創モデル」を構築 提携では、Sony、Universal、Warnerの3大レーベルに加え、音楽ライセンス団体Merlinとデジタル音楽企業Believeが参画。Spotifyは「AIを音楽の創造性を広げるためのツールとして活用し、アーティストが主体的に選べる仕組みをつくる」と説明している。 開発される「Artist-First AI Music Products」は、AIを用いた音楽体験を創出しつつ、クリエイターの利益と選択権を中心に据えた設計となる予定だ。 ## “責任あるAI”を支える4つの原則 Spotifyは発表の中で、AI製品開発の基盤となる4つの原則を掲げている。 1. **ライセンスに基づく正当な利用** — 合法的かつ倫理的なAI活用を保証。 2. **アーティストとソングライターの選択権** — 生成AIの利用可否を、創作者自身が選べる仕組みを導入。 3. **公正な報酬の確保** — AI生成を含むコンテンツ利用に対して、正当な収益分配を保証する。 4. **アーティストとファンの関係強化** — AIを通じて創作の多様性と新しい表現の機会を広げる。 Spotifyは、「AIが創作の妨げではなく、アーティストの創造力を支援する存在になるべきだ」としている。 ## 1か月前に「AI保護強化」策を導入 この発表の前段として、Spotifyは9月25日に「AI保護強化(Spotify Strengthens AI Protections)」を[公表]している。 同リリースでは、AI時代の音楽流通におけるリスク対策として以下の3点を打ち出した。 - **なりすまし音源対策** :実在アーティストの声をAIで模倣した楽曲を、本人の許可なしに配信することを禁止。 - **スパム音源の削除** :過去1年間で7,500万件以上の低品質・大量生成トラックを削除。 - **AI利用開示制度** :トラック情報内で、AIが関与した部分を明記する新たなメタデータ規格を導入予定。 Spotifyは、AIの誤用を防ぐと同時に「アーティストが自らAIをどう使うかを選べる環境づくり」が重要だと強調している。 今回の提携発表は、この“保護から共創へ”という流れを具体化する一歩といえる。 ## AIと音楽業界の新しい関係へ 音声合成や自動作曲などAI技術の進展は、創作の自由を広げる一方で、著作権侵害や倫理的懸念も引き起こしている。 Spotifyは、主要レーベルとの連携を通じて「AIの透明性」「公正な報酬」「選択可能な仕組み」という3つの柱を業界標準として定着させる狙いだ。 今後の具体的な製品内容や提供時期は明らかにされていないが、Spotifyは「AIの恩恵をアーティストに還元し、創造性を支えるプラットフォームを築く」としている :::box [関連記事:Spotifyで広がる「AI生成偽楽曲」の問題 悪用されるストリーミングサービス] ::: :::box [関連記事:ソニー・ミュージックグループ「オプトアウト宣言」 AI学習におけるコンテンツ使用を禁止し、約700の開発者や配信企業に警告] ::: :::box [関連記事:YouTube 生成AIの音楽利用でユニバーサル・ミュージックと提携 ABBAのメンバーなどが協力] ::: :::box [関連記事:Spotify がプロンプトでプレイリストを生成できる「AIプレイリスト機能」を英豪のプレミアムユーザーにベータ版で提供開始] ::: :::box [関連記事:ElevenLabs、自然言語プロンプトでスタジオ級音楽を生成できる「Eleven Music」を発表 ─ 商用利用にも対応、日本語歌詞生成も可能、Merlin・Kobaltと提携] :::

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