AI技術で水道管路の劣化を予測、設置年数だけに頼らず交換可能に

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Fractaは3月24日、水道事業体に対して、AI技術を活用した水道管路の劣化状態を診断するオンライン管路診断ツールの提供を開始すると発表した。

Fractaが開発したオンライン管路診断ツールは、水道管路に関するデータ(配管素材、使用年数、過去の漏水履歴など)と、独自に収集した1000以上の環境変数を含むデータベース(土壌、気候、人口など)を組み合わせて、各水道配管の破損確率を高精度に解析できる。

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破損や事故を最小限に抑えられる

多くの水道事業体は、水道管の配管の更新には設置年数に基づいて判断している。しかし、設置年数だけで判断すると、配管周囲の環境が与える劣化への影響を十分に考慮できないそうだ。

この課題を解決するのがFractaのオンライン管路診断ツールだ。オンライン管路診断ツールを使えば、水道事業体は水道配管の破損確率を高精度に把握・分析できるため、水道配管の交換における優先順位が明確となり、更新計画の最適化できる。

具体的には、破損確率の高い水道配管から更新することで管路整備におけるメンテナンスコストの最適化を実現する。さらに、配管の破損・漏水事故を最小限に抑えることも可能だ。現在、オンライン管路診断ツールをアメリカ27州にわたる60以上の水道事業体に提供し、高評価を得ている。

ツールの画面

オンライン管路診断ツールを使うには、水道事業体が一般的に保有する水道管の位置情報、材質、口径、設置年月、破損履歴(日時や場所)といったデータをアルゴリズムに取り込むだけで、一本一本の水道管の劣化状態の高精度な予測が可能だという。これは、Fractaは全国の膨大な環境変数を収集し、独自のアルゴリズムを構築しているからだ。

この診断ツールは2019年に6つの水道事業体で有効性を検証している。すでにアメリカで実用化したオンライン管路診断ツールと同等の有効性を確認できたので、Fractaを今春から水道事業体に向けて提供開始する。

近年、水道管の老朽化や災害発生により漏水・破損事故が各地で発生したため、水道インフラに関する課題が顕在化する傾向にあり、各水道事業体は対応に追われる。Fractaは独自のオンライン管路診断ツールを2022年までに100超の水道事業体への提供を目指し、持続可能な水道事業の運営を支援していく。

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東京都水道局では「お客様対応時」の回答例候補をAIが出している

水道がらみの話で言えば、東京都水道局でAIが使われているニュースが話題になった。

東京都水道局は2月19日から、AIを活用したお客様対応を開始した。あくまでも「活用」するだけであって、受け答えするのはオペレーターのようだ。

これまで、水道局に対するお客様対応時は、問い合わせの内容に応じて膨大なマニュアルなどの情報から必要事項を探し出し、その内容を確認してから回答していた。マニュアルなどの情報は、電子や紙などさまざまな形だったそうだ。

当然、受け答えをこなすには経験が求められる。ときには、保留時間が発生したり、折り返したりするケースもあったという。

そこで、今回AIの導入に至ったそうだ。問い合わせの内容に応じて、回答例の候補などの有益な情報をリアルタイムでオペレーターが見る画面上に表示する。オペレーターは回答候補となる表示内容を確認し、問い合わせに回答するだけなので、迅速かつ的確な対応ができるようになる、とのこと。