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2026/1/12 [MON]
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核融合炉「SPARC」の開発をAIデジタルツインで加速―—Commonwealth Fusion Systems、NVIDIA・シーメンスと連携

核融合スタートアップの Commonwealth Fusion Systems(CFS) は2026年1月6日、NVIDIA および Siemens と提携し、実証用核融合炉 SPARC の設計・開発をAI主導で加速するデジタルツインを構築すると[発表]{target=“_blank”}した。AIとシミュレーションを中核に据え、従来は物理試験に大きく依存していた核融合炉開発のプロセスを仮想空間上で統合・高速化する。 ## AIと産業ソフトウェアを統合したデジタルツイン CFSが構築するデジタルツインは、NVIDIAのAIおよび物理シミュレーションライブラリと、Siemensの設計・製造向けソフトウェア群を統合したものとなる。 SiemensのNXやTeamcenterを中心とする設計・PLM(製品ライフサイクル管理)ツールで作成されたデータを、NVIDIAのシミュレーション基盤と連携させることで、SPARCの構造・磁場・熱挙動などを一体的に再現する。 @[YouTube] この環境では部品単位から炉全体までを単一の仮想モデルで扱うことが可能となり、設計変更や検証を仮想空間上で迅速に繰り返せるという。 ## 「動く炉」を再現するデジタルモデル 今回のデジタルツインは、静的な3D設計モデルではなく、実際の運転を想定した動的モデルとして構築される。 電磁場、熱、構造応力といった複数の物理現象を同時に扱い、将来的には実機から得られるデータを反映させることで、仮想モデルと現実の炉の状態を同期させる設計とされている。これにより、実際に装置を製作・試験する前の段階で、設計上の課題や挙動を検証できるようになる。 ## 高磁場・小型化を支えるAI活用 SPARCは、高温超電導(HTS)磁石を用いることで、従来よりも小型ながら高磁場を実現する設計を採用している。 CFSはすでに、SPARC向けの初号磁石を完成させ、出荷したことを明らかにしている。この磁石は「空母を持ち上げられるほどの磁力を持つ」と説明されており、高磁場化に伴う構造応力や熱管理が技術的な焦点となっている。 こうした複雑な物理挙動を事前に解析・検証するため、AIとシミュレーションを組み合わせたデジタルツインが設計プロセスの前提となっている。 ## 実機開発と仮想検証を並行 CFSは、磁石の製造・据え付けと並行して、デジタルツイン上で炉全体の挙動解析を進める体制を構築している。 物理的な試作・試験と、仮想空間での検証を同時に進めることで、開発工程全体の効率化を図る狙いだ。 デジタルツインは、建設段階にとどまらず、将来的な運転や保守、最適化にも活用されることが想定されている。 ## 2027年稼働を見据えた基盤整備 SPARCは、核融合反応による正味エネルギー獲得を目指す実証炉として開発が進められており、2027年の稼働が計画されている。 今回のNVIDIAおよびSiemensとの連携は、設計から運転までをデータとAIに基づいて進める開発基盤を整備する取り組みとして位置付けられる。 :::box [関連記事:Google、急増する電力需要に備え、米核融合ベンチャーCFSと商用核融合発電200MWの長期購入契約を締結——CFS初の発電所と2030年代供給へ] ::: :::box [関連記事:Google DeepMind、次世代核融合炉「SPARC」開発にAI導入──CFSと協働しプラズマ制御を最適化] ::: :::box [関連記事:ChatGPTに使う?マイクロソフト、核融合発電のヘリオン・エナジーと電力購入契約を締結] ::: :::box [関連記事:サム・アルトマン、AIの未来には「エネルギー革命」が必要とダボスで主張。核融合の可能性を肯定] ::: :::box [関連記事:Helical Fusionとアオキスーパー、日本初のフュージョンエネルギー電力売買契約を締結──ヘリカル型核融合炉「Helix Program」で究極の脱炭素社会を目指す] :::

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