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2026/4/6 [MON]
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Microsoft、日本の「AI主導型成長」に1兆6000億円投資 さくらインターネット・ソフトバンクとAIインフラ連携

米Microsoftは2026年4月3日、日本の「AI主導型成長」を支援するため、2026年から2029年にかけて総額100億ドル(約1兆6000億円)を投資する計画を[発表]{target=“_blank”}した。投資は「技術」「信頼」「人材」の3つの柱で構成され、日本国内のAIインフラ整備やサイバーセキュリティ強化、人材育成を通じて、日本のAI活用と産業競争力の強化を支援する。 今回の発表は、Microsoft副会長兼社長のブラッド・スミス氏の来日に合わせて行われた。同社は2024年4月にも日本のAIインフラなどに29億ドルを投資すると発表しており、今回の計画はその取り組みをさらに拡張するものとなる。 ## 日本で加速する生成AI活用 同社のAI普及レポートによれば、日本の労働年齢人口の約5人に1人が生成AIツールを活用しており、世界平均(約6人に1人)を上回るという。企業での導入も進んでおり、日経平均株価採用企業の94%が「Microsoft 365 Copilot」を利用しているとしている。 こうした背景を踏まえ、今回の投資は日本のAI需要の拡大に対応する形で、国内のAIエコシステムを強化することを目的としている。 ## さくらインターネット・ソフトバンクと国内AIインフラ連携 投資の第一の柱となるのが「技術」で、日本国内で運用されるAIインフラの整備を進める。 Microsoftは、さくらインターネット株式会社およびソフトバンク株式会社と協力し、日本国内のGPU計算資源をAzureから利用できる環境の構築に向けた共同検討を開始した。 この取り組みにより、 - 日本国内でデータを保持するデータレジデンシー要件への対応 - 国内でデータ処理を完結させながらAzureの機能を利用 といった環境の実現を目指す。 こうしたインフラは、国産大規模言語モデル(LLM)やフィジカルAIなど、日本で高度化するAIワークロードを支える基盤になると期待されている。 Microsoftはさらに、クラウド接続が制限された環境でも利用できるAzure Localの拡張や、日本国内でのGitHub Enterprise Cloudのデータレジデンシーなど、厳格なガバナンス要件に対応したAI基盤の整備も進めているという。 ## 国家レベルのサイバーセキュリティ連携 第二の柱である「信頼」では、日本政府とのサイバーセキュリティ協力を強化する。 Microsoftは、国家サイバー統括室・警察庁などと連携し、脅威インテリジェンスの共有やサイバー犯罪対策を推進する。 同社のデジタル犯罪対策部門(Digital Crime Unit)は、警察庁や日本サイバー犯罪対策センター(JC3)と協力し、国際的な詐欺ネットワークの摘発などにも関与してきた。今後はこうした取り組みを通じて、悪意あるインフラの特定や無力化をさらに進めるとしている。 ## AI研究支援「AI for Science」も Microsoftは、日本の研究者がAIを活用した大規模解析やシミュレーションを行えるよう、総額100万ドル(約1億6000万円)の研究助成プログラムを開始する。 さらに、次世代研究者を支援するフェローシップやAIスキリングプログラムを通じ、AIを研究に活用する能力の向上を支援する。医療、材料科学、製造業、エネルギー、環境など、日本が保有する豊富な科学データの活用を後押しする狙いがある。 ## 2030年までにAI人材100万人育成 第三の柱となる「人材」では、日本のAI人材不足への対応を進める。 Microsoftは - 株式会社NTTデータ - ソフトバンク株式会社 - 日本電気株式会社(NEC) - 株式会社日立製作所 - 富士通株式会社 - と連携し、2030年までに日本で100万人のエンジニアおよび開発者を育成する計画を掲げた。 研修では - Microsoft Azure - Microsoft Foundry - GitHub - GitHub Copilot - Microsoft 365 Copilot などを対象にしたオンデマンド学習やオンライン研修を提供する。 さらに、電機・電子産業の労働組合とも連携し、約58万人の組合員にAIスキル教育を提供する取り組みも進める。 ## 半導体人材育成や教育支援も Microsoftはまた、「九州半導体人材育成等コンソーシアム」に参加し、AIやサイバーセキュリティの教育プログラムを拡大する。 九州は日本の半導体産業の重要拠点となっており、同社はAI人材の育成やサイバーセキュリティ能力の強化を通じて、日本の半導体サプライチェーンの強靭化にも貢献するとしている。 Microsoft副会長兼社長のブラッド・スミス氏は今回の発表について次のように述べている。 「マイクロソフトは日本に対する長期的なコミットメントのもと継続的な投資を行ってきました。本日の発表は、クラウドおよびAIサービスに対して高まる日本のニーズに応えるためのものです。」 同社は今回の取り組みを通じ、日本の主権要件に対応したAIインフラ整備や人材育成を進め、日本経済の成長と技術競争力の強化を支援していくとしている。 :::box [関連記事:Microsoft、自社AI基盤モデル「MAI」3種を発表 音声認識「MAI-Transcribe-1」・音声生成「MAI-Voice-1」・画像生成「MAI-Image-2」を「Azure AI Foundry」で開発者に提供] ::: :::box [関連記事:Microsoft、CopilotのリサーチAIにマルチモデル機能 OpenAIとAnthropicを同時実行してレポート生成] ::: :::box [関連記事:Microsoft、長時間タスクを実行する「Copilot Cowork」を研究プレビュー公開——Anthropicと連携し“実行するCopilot”へ] ::: :::box [関連記事:Microsoft、推論向けAIアクセラレータ「Maia 200」発表──GPT-5.2を含む最新モデルを支える基盤に] ::: :::box [関連記事:“行動するAI”が現実に 2025年上半期のAIエージェントの現在地は] :::

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