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2025/12/22 [MON]
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JCB、日本IBMとAIパートナーシップ──生成AI「watsonx」で基幹システム開発を革新、設計〜テストで約20%効率化も

JCBと日本IBMは2025年12月17日、日本IBMが持つコンサルティング力およびテクノロジーの知見を活用し、JCBのシステム分野におけるAIによる変革を実現することを目的としたAIパートナーシップを締結したと[発表]{target=“_blank”}した。 両社は、生成AIを「開発の共同パートナー」と位置づけ、基幹システムの設計・開発・テストといったIT開発プロセス全体の高度化を図る。日本IBMの生成AI基盤「watsonx」を活用し、品質向上と開発スピードの両立、さらには開発コストの最適化を目指す。 ## 生成AIを前提とした基幹システム開発へ JCBは、国内外の決済を支える基幹システム群を対象に、AIを組み込んだ新たな開発モデルの確立を進めている。今回のパートナーシップでは、日本IBMがこれまで培ってきた業務改革やシステム開発のコンサルティング知見と、生成AIを含む先端技術を組み合わせ、次世代のIT開発手法を構築する。 具体的には、設計からテストまでの各工程に生成AIを組み込み、人手に依存してきた作業の効率化と品質の平準化を図る。これにより、金融インフラとして求められる高い信頼性を維持しながら、開発生産性の向上を目指すとしている。 ## COBOLコード生成やテスト自動化など具体的ユースケース 両社はすでに複数の基幹システムで生成AIの活用を進めている。外部設計書をもとに、高精度なプログラム設計書やCOBOLコードを自動生成するほか、単体テストケースの網羅的な作成や、ブラックボックス観点を取り入れたテストケースの補強を行っている。 また、JCBが連携する500を超える提携先ごとに異なるインターフェース仕様や、業界固有の規制要件に対応したテストデータを生成AIで自動作成する取り組みも進めている。これにより、従来は大きな負担となっていたテスト工程の効率化と品質確保を両立させる狙いだ。 ## 設計〜テスト工程で約20%の効率化 こうした取り組みの成果として、すでに一部のシステムでは、設計からテストまでの工程において約20%の開発効率化を達成したという。JCBと日本IBMは、この成果を踏まえ、生成AIを活用した開発手法を今後のシステム更改や他の開発案件にも順次拡大していく方針だ。 ## 要件定義やコードレビューへの展開も視野 今後は、自然言語による要件定義の支援や、コードレビューへの生成AI活用など、より上流工程・高度工程への適用も検討する。両社は、AIを前提とした開発スタイルを通じて、基幹システムの持続的な進化と新たな価値創出につなげていくとしている。 JCBは、日本発唯一の国際カードブランドとしてグローバルに決済ネットワークを展開しており、安定性と拡張性を両立するシステム基盤の強化が重要な課題となっている。日本IBMは、コンサルティングからシステム構築、運用までを一貫して支援する立場から、今回のパートナーシップを通じて金融分野における生成AI活用をさらに加速させる考えだ。 :::box [関連記事:日本IBM、戦略策定からシステム開発、運用、プロジェクト管理までを網羅的に支援する「AIソリューション」を提供開始] ::: :::box [関連記事:IBM、新AIプラットフォーム「watsonx」を発表 – 生成AIと基盤モデルに焦点] ::: :::box [関連記事:IBMとAWSの連携拡大「watsonx」がAWS上で利用可能に] ::: :::box [関連記事:生成AIがCOBOLをJavaへ高速変換 IBMが「watsonx Code Assistant for Z」公開] ::: :::box [関連記事:失われゆくCOBOLの専門知識とレガシーシステムの近代化を支援するLLM「XMainframe」] :::

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