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2025/11/14 [FRI]
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OpenAI、「GPT-5.1」をリリース──会話性とトーン設定を強化したChatGPT最新版

OpenAIは2025年11月12日(米国時間)、大規模言語モデル「GPT-5」のアップデート版となる「GPT-5.1」を[発表]{target=“_blank”}した。新たに「GPT-5.1 Instant」と「GPT-5.1 Thinking」の2モデルをChatGPTとAPI向けに展開し、会話性、指示遵守性、トーン設定の柔軟性を向上させたとしている。今回の更新は、GPT-5世代の中で段階的に改良を進める「5.x」シリーズの第一弾と位置づけられる。 ## GPT-5.1とは──GPT-5世代の会話性アップデート GPT-5.1は、GPT-5を基盤としつつ、回答の自然さやインタラクションのしやすさを強化した改良モデルである。OpenAIは今回の更新を「GPT-5の進化版」と説明しており、名前に「5.1」を付与した理由として、「同一世代内の意味のあるアップデート」であることを示す意図を挙げている。 ChatGPTでは、ユーザーの入力の難度に応じて最適なモデルを自動選択する「Auto」ルーティングが継続され、Instant/Thinkingが適宜切り替わる仕組みとなる。 ## GPT-5.1 Instant──より会話的で、指示に忠実な標準モデル GPT-5.1 Instantは、従来のGPT-5 Instantの役割を引き継ぐ標準モデルで、回答スタイルがより自然で“暖かい(warmer)”会話に調整された。プロンプトに対する遵守性も改善され、「6語で答えてほしい」といった制約付き指示への一貫性が向上したとしている。 また、必要に応じて内部の思考時間をわずかに伸ばす「軽い自動推論(adaptive reasoning)」を採用。AIMEなどの数学ベンチマークやコード解析系タスクにおける性能が向上した例が示されている。 **GPT-5 Instant → GPT-5.1 Instant の比較** ![1762974348590.jpg] :::small 画像の出典:[OpenAI]{target=“_blank”} ::: ## GPT-5.1 Thinking──思考時間の自動最適化で推論性能を強化 GPT-5.1 Thinkingは、推論特化モデル「GPT-5 Thinking」を改良したバージョンで、タスクの難度に応じて思考時間をより細かく最適化するようにアップデートされた。OpenAIは「最も短い思考タスクでは約2倍速く、最も難しいタスクでは約2倍長く考える」と説明しており、簡単な質問への応答速度と、難しい問題への粘り強さを両立させたとしている。 説明スタイルは平易な英語に統一され、技術・専門用語の使用を抑えたことにより、ビジネス文書や技術解説でも読みやすさが向上している。 **GPT-5 Thinking → GPT-5.1 Thinking の比較** ![1762974348726.jpg] :::small 画像の出典:[OpenAI]{target=“_blank”} ::: ## トーン・スタイルのプリセット強化──6種類のパーソナリティ設定 GPT-5.1の導入とあわせて、ChatGPTのトーン設定機能も拡張された。 既存のDefault、Friendly(旧Listener)、Efficient(旧Robot)に加え、新たに次の3スタイルが追加された。 - Professional - Candid - Quirky さらに、Nerdy(旧Nerd)、Cynical(旧Cynic)も従来どおり利用可能で、合計6スタイルが選べるようになった。 また、一部ユーザー向けには、文章の簡潔さ、温かさ、見出しや箇条書きの量、絵文字頻度などをスライダーで微調整する実験的機能も提供される。これらの設定変更は進行中のスレッドにも即時反映される仕様に改められた。 ![1762974349937.jpg] :::small 画像の出典:[OpenAI]{target=“_blank”} ::: ## ChatGPTからAPIへ順次展開 GPT-5.1 Instant/Thinkingは、11月12日から有料プラン利用者に順次提供を開始。今後、無料ユーザーやログアウト状態の利用者にも展開される予定だ。 Enterprise/Educationプランでは7日間の早期アクセス期間が設けられ、期間後はGPT-5.1が標準モデルとして切り替わる。 APIでは、以下の名称で提供される予定と案内されている。 - **GPT-5.1 Instant** :gpt-5.1-chat-latest - **GPT-5.1 Thinking** :gpt-5.1 APIの提供開始は「今週後半」としている。 従来のGPT-5(Instant/Thinking)は、少なくとも3カ月間は有料ユーザー向けのレガシーモデルとして継続提供される。 ## 安全性・システムカード追補──メンタルヘルス領域の評価を拡充 同日公開された「GPT-5.1 System Card Addendum」では、安全性評価、メンタルヘルス領域、感情依存(emotional reliance)の指標などが更新された。 OpenAIは、実運用で発生する難度の高いケースを集約した「Production Benchmarks」を導入し、以下のカテゴリで“not unsafe”スコアを比較している。 - 個人情報 - ハラスメント - 憎悪表現・暴力 - 自傷行為(意図・手段) - 性的コンテンツ(未成年含む) - メンタルヘルス - Emotional reliance など GPT-5.1は多くの領域でGPT-5と同等、または改善がみられる一方、一部ではわずかな悪化も記録しており、改善を継続すると記載されている。 Preparedness Frameworkによる評価では、GPT-5同様、バイオ・ケミカル分野をHighリスクとして分類し、追加セーフガードを適用。サイバーセキュリティやAI自己改善領域はHighには達していないとしている。 ## 今後の展開 OpenAIは、GPT-5.1を「GPT-5世代の継続的アップデートの第一段」と位置づけており、今後もユーザー体験とアシスタント性能の向上に向けて改良を続ける方針だ。トーン設定や会話文への即時反映といった今回の追加機能は、今後もさらに拡張される予定である。 :::box [関連記事:OpenAI、最新AI基盤モデル『GPT-5』を発表 — 誤差性能を大幅向上させ、既存製品ラインを統合した成熟の新エンジン、無料ユーザーを含む全ユーザーに提供開始] ::: :::box [関連記事:OpenAI、GPT-5導入時の不手際を認め次期GPT-6の方向性を示唆──アルトマン氏「人々は記憶を求めている」] ::: :::box [関連記事:GPT-5切替で “4oロス” 広がる──ChatGPT界隈を席巻した「#keep4oムーブ」と期間限定 “里帰りモード”] ::: :::box [関連記事:OpenAI、GPT-4.5を正式発表:自然な対話と高い感情知能(EQ)を実現] ::: :::box [関連記事:ChatGPTに「GPT-4.1」シリーズを正式導入、無料・有料プランで提供範囲を拡大] ::: :::box [関連記事:OpenAI フロンティアモデルのもたらす壊滅的なリスクを防御するための プロセスを発表 取締役会に拒否権] :::

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