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米TIME誌は2025年12月11日(現地時間)、その年に最も大きな影響を与えた存在として、「The Architects of AI(AIの設計者たち)」を「Person of the Year 2025」に選出したと[発表]{target=“_blank”}した。 選出は特定の1名ではなく、AIを構想し、設計し、社会へと実装してきた中核的な担い手を集合体として評価する選出となった。 ## AIが“止められなくなった”年 TIME誌は、2025年をAIの潜在力が全面的に可視化され、「後戻りも、参加しないという選択もできなくなった年」と位置づける。医療研究や科学分野での発見、生産性の向上、ソフトウェア開発や創作活動の加速など、AIは短期間で広範な領域に浸透した。AIの能力はかつてない速度で向上し、社会のあらゆる場面で存在感を示すようになった。 ## 就任式の裏で起きていたこと 象徴的な出来事として、TIME誌は2025年1月のトランプ大統領就任式当日を挙げる。その日、中国の新興AI企業DeepSeekが新モデルを公開し、市場を動揺させた。翌日には、サム・アルトマン氏、ラリー・エリソン氏、孫正義氏らがホワイトハウスで、最大5000億ドル規模のAIデータセンター投資計画「Stargate」を発表した。これらの出来事は、AIを巡る国際競争、巨額投資、官民の利害が交錯する1年の幕開けを象徴していた。 ![stargate project.jpg] :::small 画像の出典:画像の出典:[ホワイトハウスのライブ配信より]{target=“_blank”} ::: ## 8人が並ぶ理由 今回の表紙は、特定の英雄を強調する構図ではない。生成AIのモデル開発、計算基盤、研究、社会実装といった異なる役割を担う人物が、同じ高さで横一列に並んで描かれている。TIME誌は、AIの進化が一人の天才や一社の成果ではなく、複数の層にわたる設計判断と意思決定の積み重ねであることを、この集合肖像で示しているという。 ### 表紙に描かれた顔ぶれ TIME誌の表紙には、「Architects of AI」を象徴する人物として、以下の8人が描かれている。 - Meta CEO:マーク・ザッカーバーグ氏 - AMD CEO:リサ・スー氏 - xAI創業者:イーロン・マスク氏 - NVIDIA CEO:ジェンスン・フアン氏 - OpenAI CEO:サム・アルトマン氏 - Google DeepMind CEO:デミス・ハサビス氏 - Anthropic CEO:ダリオ・アモデイ氏 - スタンフォード大学教授/World Labs CEO:フェイフェイ・リー氏 ![time-magazine-person-of-the-year-ai-2025-003.webp] :::small 画像の出典:[TIME]{target=“_blank”} ::: ## 加速する現実 2025年、AIの進展は技術領域にとどまらず、経済や政治とも強く結びついた。膨大な電力を消費するデータセンター建設が各地で進み、雇用構造の変化や誤情報の拡散、サイバーリスクの拡大も現実味を帯びた。権力と資本が少数の企業や経営者に集中する状況は、TIME誌が「金ぴか時代以来」と表現するほどの規模に達している。 ## かつてPCが選ばれたように TIME誌の「Person of the Year」は、個人だけでなく、時代を画した概念を選んできた。1980年代のパーソナルコンピュータ、2006年の「You(あなた)」に続き、今回はAIという新たな時代の中核を担う存在が選ばれた。ソーシャルインターネットの時代から、AIが社会を形作る時代への移行点として、2025年が位置づけられている。 2025年はAIが実験段階や一部の先進的用途を超え、社会インフラの一部として機能し始めた年だった。生成AIは業務効率化やソフトウェア開発、研究活動だけでなく、映像・音楽・文章といった創作領域にも本格的に浸透した。 同時に、AIを巡る倫理、著作権、規制、雇用への影響といった課題も顕在化し、各国政府や国際機関による対応が進んだ。TIME誌は、こうした恩恵とリスクの双方を生み出した中心に「AIの設計者たち」が存在するとして、今年の[選出理由]{target=“_blank”}に挙げている。 ## 設計者の時代 同誌は、AIの未来は技術そのものではなく、それを設計し、運用し、社会に組み込む人間の選択に委ねられていると強調する。2025年は、その設計者たちが世界史の表舞台に立った年だった。称賛と不安の双方を伴いながら、AIはもはや一部の分野の話題ではなく、世界を動かす力となっている。 ## AI時代を象徴する選出に 「The Architects of AI」が選ばれたことで、2025年はAIが単なる技術トレンドではなく、社会の基盤を形作る存在として認識された年として刻まれることになった。 TIME誌は今回の選出を通じて、AIの進化が偶然ではなく、数多くの設計上の選択と意思決定の積み重ねによって生まれていることを強調している。AI時代の行方を左右するのは、技術そのものではなく、それを設計し、運用し、社会に組み込む人間であるというメッセージが込められている。 :::box [関連記事:OpenAI・ソフトバンクなど、AIインフラ「Stargateプロジェクト」を──今後4年で総額5000億ドル投資へ] ::: :::box [関連記事:OpenAI、400億ドル(約6兆円)を調達完了 史上最大級の資金調達──AIインフラと研究開発を加速] ::: :::box [関連記事:トランプ大統領、NVIDIA「H200」の対中輸出を条件付き解禁──25%を米国に支払い、承認顧客に限定、最新鋭Blackwellは対象外] ::: :::box [関連記事:OpenAI「o1」に匹敵するレベル「DeepSeek-R1」:中国DeepSeek社が新たなAIモデルを発表] ::: :::box [関連記事:AIの"ゴッド・マザー" Fei-Fei LiのWorld Labs、マルチモーダル世界モデル「Marble」を一般公開──テキスト・画像・動画から“永続3Dワールド”生成] :::
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