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人間の脳神経細胞を計算資源として利用する「生物学的データセンター」の構想が動き出している。 2026年3月10日(日本時間)に米[Bloomberg]{target=“_blank”}が報じたところによると、オーストラリアのバイオテクノロジー系スタートアップ Cortical Labs は、人間の脳細胞を動力源とするバイオコンピューターを集約したデータセンターを、オーストラリア・メルボルンとシンガポールで建設している。 同社のシステムは、培養した人間の神経細胞をシリコンチップ上に配置し、電気信号を通じて入力と出力を行う「生物学的コンピューティング」を基盤とする。従来の半導体プロセッサとは異なり、生きた神経細胞そのものを計算資源として利用する点が特徴だ。 ## 人間の脳細胞を使った「生物コンピューター」 Cortical Labsが開発する装置は「CL1」と呼ばれるバイオコンピューターで、ヒト由来の神経細胞をシリコン基板上で培養して構成される。これらの細胞は電極付きチップと接続され、電気刺激を受け取ると同時に神経活動(スパイク)を信号として出力する。 神経細胞はヒトの血液細胞から誘導された細胞を利用して作られており、チップ上でネットワークを形成する。ソフトウェアは細胞に刺激を与え、その反応を計算結果として読み取ることができる仕組みだ。 ## 脳細胞がゲームを学習 同社はこれまで、培養した神経細胞にコンピューターゲームをプレイさせる実験を進めてきた。2022年には、神経細胞がシンプルなゲーム「Pong」を学習する実験結果を発表。さらに2026年2月には、3Dゲーム「Doom」をプレイする実験成果を公開した。 これらの実験では、ゲーム画面の情報を電気刺激として神経細胞に入力し、その反応を操作コマンドとして解釈することで、細胞がゲーム内で行動する仕組みが構築されている。 @[YouTube] ## メルボルンとシンガポールに施設 Bloombergによると、Cortical Labsはこうしたバイオコンピューターを集約したデータセンターの構築を進めている。メルボルンの施設には約120台のユニットを設置予定で、シンガポールではデータセンター事業者の DayOne Data Centers と連携し、最大1000台規模のユニット導入を段階的に計画している。 シンガポールでは、National University of Singapore Yong Loo Lin School of Medicine において初期展開が予定されている。 Cortical Labsのクラウドサーバーラック ![1632x2688.jpg] :::small 画像の出典:[Cortical Labs]{target=”_blank”} ::: ## 電卓以下の消費電力 この技術の特徴の一つがエネルギー効率だ。Cortical Labsによると、同社の脳細胞コンピューターは従来のAIプロセッサと比べて消費電力が大幅に少なく、1ユニットあたりの電力は手持ちの電卓より少ない水準だという。 AIの普及に伴い、世界各地でデータセンターの電力需要が急増している。こうした背景から、神経細胞を利用する生物学的コンピューティングは、将来的に新しい計算アーキテクチャの候補として研究が進められている。 Cortical Labsの取り組みはまだ研究段階にあるものの、AI時代の計算資源のあり方を再考する試みとして注目されている。 :::box [関連記事:「ChatGPTを超える」AI開発へ、培養脳細胞で豪スタートアップが13億円調達] ::: :::box [関連記事:ソフトバンクと東京大学の共同研究:脳オルガノイドを活用した次世代プロセッサBPU(Brain Processing Unit)の開発に成功] ::: :::box [関連記事:AmazonやGoogleなど米テック7社、AIデータセンターの電力費負担を誓約 家庭向け料金への転嫁回避へ] ::: :::box [関連記事:石破首相、生成AIの普及に対応してデータセンターと発電所の一体整備へ—地域分散をめざし官民協議会を設立] ::: :::box [関連記事:ラピダス、データセンター向けAI半導体で米エスペラント・テクノロジーズと提携] :::
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