「意外と簡単にできた」高校生がAI開発、快適な学校生活を目的に

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2020年度からプログラミング必修化にともなって、AI開発などに携わる企業が「AIの授業」を学校で実施するニュースがよく届くようになった。

AI開発ベンチャー企業・株式会社グリッドも2月3日から19日までの約2週間にわたって、ルークス高等学院の高校生へのAIモデル開発特別授業を実施した。

ちなみに、グリッドは誰でも簡単にAIモデルが開発出来るプラットフォームである「ReNom」の開発・提供を手掛ける企業だ。Ledge.ai編集部では先日、同社の代表取締役にインタビュー取材をしているので、合わせてチェックしてみてほしい。

学校生活を送るうえでの課題を解決するAIを開発

さて、グリッドが今回実施した授業の目的は、「AIがどのようなテーマに対し活用できるか」「どのようなデータを用意する必要があるか」についての勘所を一連の開発を通して学んでもらうことだ。

開発作業では、学校生活を送るうえでの課題を洗い出し、それを解決するAIモデルのテーマを決定。さらに、AIに学習させる為の画像データの収集、アノテーション、アルゴリズムの選定、学習、そして一連の流れを高校生自らが挑戦した。

学生ならではの開発テーマが数多くあったようで、誰が出席しているか自動で識別するための「顔識別モデル」、忘れ物ボックスに置かれた文房具などを検出する「忘れ物検出モデル」、教室内が整理整頓されている状態かどうかを分類する「教室整頓状態分類モデル」などがあったそうだ。

「AI開発をやってみると意外と簡単にできた」

授業全体の感想では

「文系なので、AI開発とは程遠いと思っていたがやってみると意外と簡単にできた」
「映画の中のロボットのように万能ではなく、自分たちがしっかりとどんなAIを作りたいか考える必要性を感じた」

などの意見が上がり、AIでできることとAIを開発するうえで必要なことの理解が深まった授業となったそうだ。

授業最終日には、開発したモデルの結果と、開発過程での工夫や気づきを各チームから発表された。

「学習させるデータが不十分だと、どんなに良いアルゴリズムでも良い精度が出ないことが分かった」
「画像を集めたり、一枚一枚にアノテーションをしたりと地道な作業から高度なAIが作られていることが分かった」

というAIを開発するうえでの発見について声があがった。

また、比較的高精度のモデルができた顔識別モデルのチームからは、

「喜怒哀楽の表情が乏しかった人の識別精度は低かったが、表情が豊かだった人の精度は高かった。ひとりの人を識別するうえでも色んな表情の画像を集める必要があることが分かった」

と、更に高精度のモデルを開発する為の考察を述べたという。

AI開発を体験させ、開発自体の裾野を広げたい

AIを開発するには、専門的な知識がないと厳しい……という認識があるものの、実際に開発を体験することで、興味・関心をさらに広げることにつながる。

それこそ、授業を実施したグリッドも「AI開発自体に関心を持つ人たちの裾野を広げることで、AI人材不足解消に繋げる可能性を秘めている」とコメントした。

いまだに、AIに対して「なんでもできる魔法のテクノロジー」「よくわからないけど、なんかすごそう」と考えている人は少なくない。

百聞は一見に如かずと言うように、それも今回のような実際に開発することで、以前とはくらべものにならないほど経験値を積んだはず。

先日、株式会社ヒューマノーム研究所が発表したプログラミング不要でAIを開発できるツールが多くの注目を集めたように、AIに対するハードルを下げることで、AIの利活用が大幅に進むきっかけになるかもしれない。