NEC、AIを活用した映像解析で数十種類の細かい作業を識別する技術を開発

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日本電気株式会社(NEC)は6月20日、AIを活用した映像分析により一般的なカメラで撮影した数回分のお手本映像だけで学習モデルを作成し、全行程の流れを見える化する技術を開発したと発表した。工場での組み立てなどの手作業において、手指の動きを捉えて数十種類の細かい作業を高精度に識別することで可能になるという。

作業の識別により、既定値との違いを分析可能

近年、ものづくりの現場では、機械設備の導入により自動化が進む一方で、人手による作業も多く残されており、生産性の向上に課題があった。

また従来、手指を使う細かい作業をAIで識別して分析するためには、各工程で用いられる部品や道具を事前に登録した大量の教師データが必要だった。本技術により人手作業の分析を容易にし、生産性の向上に貢献するという。

数回分のお手本映像の学習だけで、数十種類の細かい作業を高精度に識別

これまで、肩や肘、手首などの人体の大きな動きを捉えることで、作業内容を分析する技術は開発されていたが、手先の細かな動きを伴なう作業には対応できていなかった。

また、さまざまな部品や道具を用いた作業を識別するためには、部品や道具の画像を用意して、事前に登録する必要があった。

今回開発した技術は、各指の関節と指先(両手合計42ヵ所)の動きをもとにして捉えた手指形状の特徴量と指周辺の画像特徴量との共起関係(ある手指の形と、特定の部品や道具が同時に現れる状況)を学習する方式のため、個別の部品や道具を登録して学習する必要がない。

本技術では、数回分のお手本映像だけで学習モデルを作成し、「モジュラージャックを取る」「マイクをはめ込む」「電動ドライバーでネジを締める」などの数十種類の細かい作業を高精度に識別できるようになるという。

手指形状と物体(部品や道具)との共起関係の学習

作業の識別により生産性の向上に貢献

今回開発した技術では、細かい作業の識別と、個々の作業にかかる時間の測定が可能。作業の手順違い・手順漏れの発見や、規定の作業時間と実作業にかかる時間の差の分析が可能になり、生産性の向上に貢献するという。

技術検証

ICT機器を製造しているNECプラットフォームズ株式会社の白石事業所で、撮影した製品組み立ての実験映像に本技術を適用した結果、各作業時間を高精度に実測し、あらかじめ規定した時間との差異を把握できた。部品置き場の再調整、組み立て方の指導、手順の再考などの対策を講じて生産性の向上を図れるとしている。
複数の部品を用いる作業での規定時間と実測時間の比較例(橙色:規定時間より大幅に時間が超過した工程)

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