NVIDIA(エヌビディア)が主催する同社最大級のカンファレンスイベント「NVIDIA GTC(以下、GTC)」が、2022年3月21日(月)から24日(木)まで開催される。
本カンファレンスは、AIやディープラーニングに関する最新情報や、各国の成功事例など、数々のセッションや技術トレーニングが用意されている。セッションの数は900を超え、NVIDIAのエキスパートたちをはじめとする、グローバルで活躍している研究者や、日本発のDXで業界を牽引するビジネスリーダーなどによる講演が実施される予定だ。
本記事では、GTC内で行われるAI、アクセラレーテッド コンピューティング、データ サイエンス、グラフィックスとシミュレーションなどのデジタルスキルを学びたい方のためのNVIDIAの教育ソリューション『Deep Learning Institute』について紹介する。本講座の魅力や受講者の声を、本記事で紹介する。興味のある方には一読を勧めたい。
“今”のAIエンジニア育成に足りない穴を埋める「理論×実践」の研修
昨今、AIエンジニアを育成する教材は様々存在する。この度NVIDIAが提供するAI開発者になりたい人向けのワークショップ『Deep Learning Institute』(以下、DLI)は、一体どんな内容なのか?
まずは、講師を務める村上氏に、“NVIDIAだからこそ”学べるカリキュラムについて話を聞いた。
講師を務める NVIDIA 村上氏
「NVIDIAのDLIワークショップでは、AIだけでなく、GPUを用いたアクセラレーテッド コンピューティング、シミュレーション、グラフィックスなど様々な領域について学ぶ事が可能です。AIに限らず様々なテーマのコースが用意されている事はDLIの魅力の1つだと思います。
例えば、今回行う予定の『CUDA C/C++ によるアクセラレーテッド コンピューティングの基礎』というコースは、NVIDIA GPUとCUDA C/C++を用いてコードの高速化を行う為の基礎を学ぶワークショップです。
このテーマは一見、AIとは全く関係のないものだと思われるかもしれません。しかし、実はディープラーニングの主要なフレームワークであるTensorFlowやPyTorchはCUDAを用いて開発されており、それによりモデルの学習や推論の高速化を実現しています。
AIとアクセラレーテッド コンピューティングは密接に関わり合っており、両方を学ぶことで技術の底上げが可能です。 勿論、アクセラレーテッド コンピューティングはAI分野だけでなく画像処理、シミュレーション、数値演算など様々な分野に応用可能な技術ですので、AIエンジニアではない方にもぜひ受講頂きたいコースです。
CUDA C/C++について最新のツールを用いて丁寧に学ぶことができるのはNVIDIAのDLIだけだと思います」
村上氏とともに講師を務める大串氏は本講座について、理論と実践を交えたNVIDIAならではのコースだと語る。
講師を務める NVIDIA 大串氏
「NVIDIAのDLIワークショップは講師から教材の内容を教わるだけでなく、参加者がハンズオンで実際にコードを動作させながら学べることもポイントです。ティーチングアシスタントもいるので、個別の質問にも対応できるので参加者全員ができるだけ内容をキャッチアップできる形になっています。
また、DLIで提供する計算環境はワークショップ後も使用できるので参加者が復習する環境も整っている点も魅力です。
NVIDIAはGPUを用いて画像処理やディープラーニングの処理を高速化するソフトウェアを提供しているイメージが強いと思いますが、実は他の分野でも高速化するソフトウェアを提供しています。その一例としてRAPIDSがあります。こちらのソフトウェアはGPUで機械学習を高速化することができます。このコースではこのRAPIDSのコードも使用して頂くので、一般的な機械学習へのGPU適用の知見を取得することも可能です。
時系列データの予知保全、異常検知、モデルのハイパーパラメータチューニングの理論的な内容から実際にコードを動作させるところまで学べるのはNVIDIAのDLIならではだと思います」
実際の受講画面。今回の講座はオンラインで実施予定
ワークショップ参加者の声
本講座を受講した参加者に、DLIを受講した効果や感想についても聞いた。
「ディープラーニングやCUDAについて、専門家の講師から解説していただき、概念だけでなくコードの使用方法まで学べるため、実践に活用できると感じました」
―― 参加者 Bさん
「NVIDIAのDLIワークショップは、自社が既存事業のドメインで最先端テクノロジーを活用するため不可欠だと感じました。他社から参加されているモチベーションの高い受講生と、知識豊富な講師の方と一緒に学ぶことができ、楽しみつつ知識をつけることができました」
―― 参加者 Cさん
「ディープラーニングを多少なりとも本格的に実行しようとするとGPUが欲しくなる一方、GPUを手配することも、その環境を構築することも、演習題材やデータを用意することも大変です。セミナーでこれらをすべてそろえるのは容易ではないため、世の中の多くの演習は簡易的なものであったり、レクチャがベースになっていたりします。
DLIはNVIDIA社が用意した、半年間いつでも使えるGPUサーバと、よく設計された学習項目・演習に基づきディープラーニングを学べるため、ディープラーニングを本格的に始めたい、という方に大変お勧めできるコンテンツです」
必要なのは、ML/DLの理論部分を理解し、自身の問題/自分たちの分野に応用する力
「AI人材に必要なこと」というテーマは、ここ数年至る所で議論が起きている。NVIDIAはそんなAI人材についてどう捉え、どのようなスキルが必要だと考えているのか。
「ML/DLの理論を理解すること自体は重要ですが、学んだことを、実際の課題に対しどう適用していくか、適切な手法を選択できるのか、その応用力がもっと重要なのではないかと思います。
そして、それを実装する力もとても重要です。PoCなどを通じて選択した手法が効果的であるか否か実験する為には、自身で素早く実装を行い実験を繰り返す必要があります。
AIエンジニアの方は業務でCUDA C/C++を書く機会はあまりないかもしれませんが、CUDAはPython経由で実行することも可能ですし、CUDAの基礎を学ぶことで今までより質の高い、高速に動作するコードを書くことが可能になるかもしれません。もちろんCUDA C/C++自体に興味のある方の参加も大歓迎です」
大串氏は、自社データへの適用と応用力について言及した。
「ディープラーニングに関してはフレームワーク、エコシステムの発達によって簡単な画像分類であれば少ないコードで実装できるようになりました。これによって参入ハードルが下がっているのが現状です。
そのためAI/DL人材に求められるのは根本的な理論部分を創造できる研究者の方かAI/DLを自分たちの分野に適用できる力だと思います。
AI/DLを自分たちの分野に適用できる方の例としてサンプルコードが動作できるだけでなく、サンプルコードを元に改良して自分たちのデータに適用して改善していく力を持っている方が私のイメージになります。
今回のカリキュラムの一つである『AI を応用した予知保全』は、時系列データに対して予知保全と異常検知をどのように適用するか学べるコースになっています。具体的なコード実装まで学んで頂くことによって実業務にも応用できると思います。このコースではセンサーデータを扱いますがネットワークなどのデータにも適用可能です。
コースを学んだあとに是非、自分たちのデータで試して頂いて、応用力も磨いていただけると幸いです。 予知保全、異常検知を行いたい方、自分たちのデータに適用して応用力を高めたい方は是非参加してください」
興味のある方は、早めの申し込みをおすすめしたい。
申し込みはGTC本サイトで受付中
開催概要
日 時 :2022年3月21日(月)~3月24日(木)
名 称 :NVIDIA GTC
開催方法 :オンライン
主 催 :NVIDIA
参加費(カンファレンスパス) :無料(会期中も登録受付中)
参加費(DLIトレーニングアドオン):$149
※5名以上のDLIトレーニングは、グループ購入でも一人当たり$99でお申し込みを受け付けております。
詳細は GTC_Japan@nvidia.com までお問い合わせくださいませ。