OKI、AIで熟練を要する外観異常を判定 作業時間を15%も削減

このエントリーをはてなブックマークに追加

沖電気工業株式会社(OKI)は6月1日、製造現場のなかでも、とくに熟練者の技術・経験を必要とする検査工程に人工知能(AI)を取り入れ、省力化・自動化できる映像AIソリューション「外観異常判定システム」を発売した。提供開始時期は9月を予定している。

埼玉県本庄市の本庄工場で実施した実証実験では本システムの導入により、組立工程における作業ミスの見逃しをなくし、製造工程全体の作業時間を15%も削減できたという。

今後3年間で10億円の売り上げを目指す

本システムは、カメラで撮影した検査対象の部品・製品の高精細映像をAIエッジコンピューター「AE2100(※1)」で解析。リアルタイムに製品の外観異常を自動判定し、すぐに作業者に結果を通知する。判定結果を含む検査画像、製品情報などの証跡データは上位に位置する管理サーバーに蓄積し、品質管理や分析に活用できる。

(※1)ネットワークカメラや各種センサーを収容し、エッジ(現場)で高速ディープラーニング推論処理する耐環境性に優れたAIエッジコンピューターのこと。大容量の映像データをクラウドに送信せずエッジでAI処理することで、信頼性・リアルタイム性・プライバシー保護を実現する。

ローカル5G(※2)実験試験局を備えた本庄工場の通信機器製造ラインで実施した実証実験では、高精細映像をローカル5Gネットワークで伝送し、AE2100で映像解析した。従来、熟練者の技術や経験への依存度が高かった目視検査工程を自動化することで、作業者の負荷軽減効果が期待できる。

(※2)通信事業者ではない企業や事業者がプライベート空間に専用の5Gネットワークを構築する自営の無線ネットワークを指す。

OKIはスマート工場を実現する「Manufacturing DX(※3)」のソリューションの1つとして本システムを販売し、今後3年間で10億円の売り上げを目指すという。

(※3)OKIのソリューションコンセプト。製造現場を可視化する「現場変革」、現場と経営を高度かつ双方向に連携する「IT・オペレーション変革」、環境変化・法令対応・少量付加価値生産などさまざまな経営判断を支援する「マネジメント変革」の3つの変革から構成される。

なお、OKIは2021年6月2日〜6月4日に東京ビックサイト青海展示棟で開催されるワイヤレス・ジャパン2021において、今回の実証実験の内容をはじめ、本庄工場におけるローカル5Gを活用した取り組みについて公開している(出展:OKI、ブース番号:1-075)。

>>ニュースリリース