後編:有料のAI研修受けてみた DataRobotを使ってAIモデルを作る

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本稿では、スキルアップAI株式会社に特別に許可をいただき、同社が提供しているAI講座講座をレポートしている。

今回はスキルアップAI株式会社の「現場で使えるAIプランニング・プロジェクト推進基礎講座(DataRobot活用編)」を受講しました。

公式サイトによれば、
・対象が革新的なAI技術かどうか見極めるスキル
・AIの本質を捉えた企画立案力
・AIプロジェクトにおける適切な見積もり・PJ推進の基礎力
・DataRobot を使って自動モデル作成から、学習済みモデルの ROI 評価までの一連の流れを実行できるスキル
を得られる知識およびスキルとしています。また、前提として、G検定合格レベルのAIへの基礎知識を有する方を対象としている講座です。講座の所要時間は、ライブ講義7時間+事前学習5時間。料金は16万5000円(税込)です。

受講レポートは、前半・後半の構成となっています。

前半のレポートでは、予習動画でAIプロジェクトの概要を学ぶ「事前学習」と、ワークによってAIプロジェクトの設計方法を学ぶ「DAY1」の様子を紹介しました。

後半のレポートである本記事では、DataRobotを活用してPoC体験を行う「DAY2」の様子を紹介していきます。

<前編はこちら(前編へのリンク挿入)>

DAY2:
DataRobotの概要を学ぶ

このパートでは、まずDataRobotの概要を学びます。

DataRobotは、AutoML機能など機械学習モデルの構築、デプロイ、管理を自動化によってエンドツーエンドで提供するソリューションです。AutoMLとは、機械学習のプロセスを⾃動化する技術や⼿法、サービスなどの総称です。

DataRobotを活用することで、データサイエンティストでなくてもAIドリブンな課題解決ができます。

DataRobotの概要を学んだあとは、ハンズオンの前準備として総合ワークを行いました。

総合ワークは、仮想シナリオに基づくAIプロジェクトの企画を、3枚のワークシートにまとめるグループワークです。
今回は「架空の消費者金融サービスにおいて、与信判断を高速・高精度化するためのAI活用プランの策定」というテーマで取り組みました。

AIを作成するために入手できるデータはどれか、現サービスのコスト構造はどのようになっているか、作成するAIモデルには何を予測させるべきか、などをグループで話し合いました。

ワーク後に成果物を発表し、講師の方からフィードバックを頂きました。

DAY2:
DataRobotを使ったハンズオン、AIモデルの作成

総合ワークの発表後、いよいよDataRobotを使ったハンズオンを行いました。
ハンズオンでは、AIプロジェクトのPoCに必要な「データ前処理」「モデル⽣成」「モデルの検証」「評価・解釈」を体験します。

まず、配布されたExcelファイルをDataRobotに読み込みます。

特別な操作は一切必要ありませんでした。読み込み後、データにおかしなところがないか確認できる画面が表示されます。
本来はこの後にデータの前処理を行います。講座では取り上げられませんでしたが、次の操作で【開始】ボタンを押すと、データの前処理も自動的にしてくれるそうです。

次に「モデル作成」を行います。

何かを予測させるAIモデルを作成していくので、まず予測の対象を指定します。予測対象を指定したあと、【開始】ボタンをクリックします。これでAIモデルが自動的に作成されます。20分ほど待つと、AIモデルが完成します。ボタンを数回クリックするだけで、AIモデルを作成することができました。

AIモデルが完成したら、精度を確認するために「モデルの検証」を実施します。

自力でAIモデルを検証する場合は何種類もプログラムを実行する必要がありますが、DataRobotの場合はワンクリックで精度を計算してくれます。リーダーボードを利用して交差検定を実行し、評価の高いモデルを選定します。今回は、「AVG Blender」と呼ばれるアンサンブルのモデルが、最もよい評価でした。

最後に、AIモデルの「評価・解釈」を行います。

この章では、リーダーボードの【評価】と【解釈】の読み方を学びます。【評価】には、リフトチャートと呼ばれるグラフが含まれています。リフトチャートを見ることで、予測値と実測値が区間ごとにどれくらい乖離しているかを把握することができます。

今回は、かなり精度の高いモデルを作ることができました。

DAY2は手を動かしながら学ぶコンテンツが多く、前のめりに受講してしまいました。

グループワークは、どのグループでも活発な議論が行われていた印象でした。受講者の方から「AIモデルのターゲット変数の選び方が難しかったが、積極的に意見交換をしながら取り組むことができた」といった声も聞こえました。

DataRobotによるハンズオンでは、PoCという難しい工程を楽しく体験することができました。DataRobotを使えば、初心者の自分でもAIモデルを使ったプロジェクトを進められそうです。

本講座を通じて、AIプロジェクトの進め方と、DataRobotを使った実践方法を学ぶことができました。AIプロジェクトの企画/推進を学びたい方、AIプロジェクトの企画からDataRobotによる分析までの一連の流れを体験したい方は、本講座を受講してみてはいかがでしょうか。