ソフトバンクG孫正義さん、AI革命に熱意「10兆円でも満足しない」

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ソフトバンクグループ株式会社は5月12日、2021年3月期 決算説明会のなかで、純利益が4兆9880億円と過去最高額を記録したことを正式に発表した。日本企業の利益としても過去最高と報じられている。好調の理由は「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の人工知能(AI)企業への投資によるものが大きい。



ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員の孫正義さんはソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資について、「同じ投資会社でも一時的な博打のような、相場が『下がった』『上がった』と一喜一憂するような、そういったものではなく、AIを使って新しいビジネスモデル、新しいテクノロジーで産業を再定義するような会社をどんどん生み出します」と語った。

「彼らが創業して、われわれが途中からターボチャージして、資金などさまざまな相乗効果を含めて応援していく。株式公開のラッシュをわれわれのグループで作っていく。そういったものにしていきたいと思っています」

ソフトバンクグループのNAV(時価純資産)は2021年3月末、26.1兆円を記録している。ソフトバンクグループの投資と言えば、アリババの印象が強いかもしれない。しかし、孫正義さんはこう話す。

「NAVはアリババとビジョンファンドとその他と3つに色分けできると思います。ほんの半年ぐらい前はアリババが6割ぐらいを占めている時期もありました。『ソフトバンクはアリババ一本足打法だろう』と多くの方にご批判いただいていました。現在、アリババの割合は43%になりました。ソフトバンク・ビジョン・ファンドはほんの2〜3年前までは全体のなかの5%〜10%でしたが、いまはや25%になりました」

一方で、孫正義さんは「『孫正義は完全にばくち打ちの投資家になった』。そう思われる方もたくさんいるのではないかと思います。僕は単にお金のことに興味があるのではなく、AIの技術の最先端、AIを使ったビジネスモデルの最先端をどんどん掘り起こし、われわれのグループに入ってもらって、シナジーを出し合う。そういうことをやっていきたいと思っています」と話した。

孫正義さんは「AIの技術革新がどのようにどのようなペースで、どのような内容の革命が起きているのか」や「コンピューティングの進化」に強い関心を持ち、GPUや自動運転車搭載用チップ、NVIDIAが発表したArmベースのプロセッサーとなるデータセンター向けCPU「Grace」などについても学習しているという。

そのうえで、孫正義さんは「AI革命はまだ始まったばかり。AIはあらゆる産業を再定義していく。そう信じています」と述べている。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資承認済みの会社は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1が92社、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が95社、ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドが37社、合計で224社におよぶ。ここ3カ月でも60社も増加した。

孫正義さんは今後の目標については「2021年は去年を大きく上回る数の上場件数があると見込んでいます。去年の数を大きく上回るIPO(新規上場)がすでにパイプラインとして、具体的な社名まであげて準備中です」「仕組みの欠如、組織の欠如。自分で反省している点がいっぱいあるので、着々と粛々と改善し、伸ばしていきたいと思います」と語った。

孫正義さんは冒頭でソフトバンク創業の地である福岡の雑餉隈(ざっしょのくま)駅付近の写真を紹介し、「踏切の奥には雑餉隈の駅があります。駅の周辺は私のいた事務所(付近)よりは都会でした。駅のさらに向こうには博多駅があります。さらに、博多駅の向こうには東京駅があります。『踏切の向こうには夢がある。いつか必ずこの踏切を堂々と高鳴る気持ちで渡ってみせる』。そう心に誓っていました」と振り返っていた。

孫正義さんは最後に再び写真を示し、「数字よりも、なによりも1番大切なのはこの1枚の写真にあると思います。あの踏切の向こうには夢がある。でっかい夢がある。それを必ずつかむんだ。踏切のカンカンとなる音と、自分の胸の鼓動が重なったときに、最高潮のやる気と夢が化学反応を起こしました。その興奮が今も僕のなかに残っています。この胸の高鳴りが止まらない限り、まだまだ満足していません」と話した。

「どれほど株を持っているとか、どれほど利益を出しているとかは一時的な現象であり、まだまだこの物語は続きます。まだまだ満足していません。5兆円や6兆円では満足する男ではない。10兆円でもまったく満足しません。まだまだ胸の高鳴りが続いています。これが僕の1番重要な想いだと思います」

孫正義さん、ソフトバンクグループの投資「AI革命以外はやりたくない」

孫正義さんは2月8日に実施した2021年3月期 第3四半期 決算説明会のなかでも、ソフトバンクグループの投資について「AI革命以外はやりたくない」と断言していた。気になる人は以下の記事をチェックしてほしい。