「競合他社は待ってくれない」AI時代を生きるための“リテラシー”戦略

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2019年2月13日、株式会社レッジは日本最大級のビジネスAIカンファレンス『THE AI 3rd』を開催。「AI時代の適者生存 ── 生まれ変わるために“今”すべきこと」をテーマに、業種や産業を跨いだAI、ディープラーニングの活用事例が業界のトップランナーにより語られました。

「弱者が強者になる為のAI導入戦略」と題して講演したアローサル・テクノロジー株式会社の佐藤 拓哉氏、久保田 雄大氏は、「日々溢れる情報を取捨選択するための『リテラシー』を持つものこそがAI時代の強者である」と語りました。





佐藤 拓哉(写真右)
アローサル・テクノロジー株式会社 代表取締役
一部上場企業にてSEを5年経験後、2013年にスマホアプリ/WEBシステム開発事業を主としたアローサル・テクノロジー株式会社を設立。自然言語理解エンジンを用いたシステム開発をきっかけに、オーダーメイドでAI導入、AIを活用したアプリケーション開発を行う。


久保田 雄大(写真左)
アローサル・テクノロジー株式会社 最高分析責任者
2015年に代表佐藤と合流し、当初は社外取締役として参画。人材教育の経験からのコーチング、コンサルティングを活かし経営及び事業の成長に貢献。2019年現在は最高分析責任者(CAO)としてAI導入に向けた本質的な情報分析、問題解決に注力している。

資本をもつだけがAI時代の強者ではない

GAFAと呼ばれるアメリカの巨大企業4社、Google, Amazon, Facebook, Appleは、世界中の資本情報を集め、世界の経済成長を牽引しています。

しかし、AI時代には、「強者の定義が変わる」と佐藤氏は主張します。

――佐藤
「これからの時代は、資本や情報でなく、リテラシーを持つものが強者となります。

リテラシーとは、何が自分に必要な情報なのか、与えられた情報を取捨選択する能力のことです。

ビジネスを始めるためには、資本が必要なので、資本が不要になる訳ではありません。しかし、未来を見越すためのリテラシーがあれば、資本は自ずと集まってきます」

――久保田
「資本だけに価値が置かれる時代ではないのは、『エモ消費』が注目される現象として表れています。”エモ”とは、エモーショナルな、感情的な、という意味です。

人々は単なる所有や体験だけでは価値を感じず、サービスやプロダクトからどんな熱狂や感動、感情を持てるかを重要視しています」

現代では、インターネットの発達により、誰でも簡単に情報を手に入れられます。日々溢れる情報を取捨選択し、新しい時代に生き残るための戦略や指針を作る必要があります。

AI時代の「リテラシー戦略」

――佐藤
「AIエンジニアやデータサイエンティストがAIリテラシーに強いと思われる方もいるかもしれませんが、そうではありません」

アローサル・テクノロジーが考えるAIリテラシーが高い人とは、以下の能力を持つと佐藤氏は定義します。

  • 俯瞰的視座
  • 高いコミュニケーション能力
  • AI各分野の基礎知識 (プログラム、統計、設計、etc…)
  • 各技術難易度の理解
  • コンサルティング能力
  • 異文化ネットワーキング
  • 他業種にわたるビジネス経験
  • 人間学の深い理解
――佐藤
「これらの能力を一人で全て持っていることは稀ですので、いくつかの条件をクリアした人材が複数人、一つの会社に揃っている必要があります。リテラシーを持った人が集まれば、それぞれの視点からよりベストな判断ができます」

AI技術の基礎知識を持つのはもちろんのこと、異文化ネットワーキングや他業種にわたるビジネス経験といった広範囲にわたる事業理解がAI時代には必要。むやみに先端技術を取り入れ、ステークホールダーを置き去りすれば、莫大な予算を投じたAI導入が失敗に終わる可能性もあります。

――久保田
「IT化やAI化が必須の時代、技術の観点を欠いた事業計画の策定は、大きなリスクです。

そこで、技術視点から経営判断できるCTO(Chief Technical Officer)をおくことを推奨しています。まだCTOをおく会社も、CTOとなり得る人材も少ないですが、AI時代には必要なポジションです」

自身の強みとなる専門分野を持つことも大切ですが、AI導入を念頭においた経営判断をするには、専門分野以外にも、幅広い知識と経験が必要です。新時代に適応するため、知らないことを貪欲に学び続ける姿勢が求められます。

泥臭くても計画を立ててAIリテラシーを上げる

AIリテラシーを身につける中で、同時に進めたいのがAI導入計画です。事業モデルを正しく理解し、効果的にAIを導入するには、業務タスクの流れを明確にする必要があります。

――佐藤
「業務フローの一部分にAIを導入しても、他の業務タスクと噛み合わなければ相乗効果は見込めません。

業務タスクをしっかりと理解するためには、地道な現場へのヒアリングなど、泥臭い作業が必要です。AIを導入しても、一つのタスクに関する偏った理解だけでは生産性は向上しないでしょう」

AI導入を焦るあまり、事業全体を把握しないままプロジェクトを進め、期待以上の効果を出せない事例も多くあります。そのような失敗を避けるには、高いAIリテラシーを土台に、的確なAI導入計画を立てる必要があります。

計画を立てることで、「AI導入で一番大きな障壁となる、資金の問題を解決する糸口にもなる」とか。

――久保田
「AI導入の費用感を知るには、『AIで何がしたいか』を明確にする必要があります。技術難易度や実証実験にかかる期間は、プロジェクトの目的によりに全く異なるからです」

計画を立て、AI導入の目的が可視化すれば、予算の確保も比較的スムーズに進みそうです。

――佐藤
「先進技術の導入に保守的な会社であったとしても、AI導入を競合他社は待ってくれません

AIリテラシーの高いパートナーを探し、実施はともかく、AI導入計画を立てることが、他社に遅れを取らないための第一歩です」

日々凄まじいスピードで進化する技術を自社の事業に取り入れるには、情報を取捨選択する能力が求められます。まずはリテラシーが高いパートナーを傍に置き、自身のリテラシーを上げることが、AI導入には必須となりそうです。

アローサル・テクノロジーの講演資料は下記からダウンロード可能

本講演の資料は、下記からダウンロード可能です。