歴代ローマ皇帝54人の顔をAIで再現 彫刻などの歴史資料を活用

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Thumb-nail photo on ©voshart.com

画像AIの発展により、白黒映像のカラー化、低解像度動画の高画質化、GAN(敵対的生成ネットワーク)など生成モデルによるAI芸術といった、いろいろな領域で日々新たな取り組みが生まれている。

今回、カナダ出身のデザイナーDaniel Voshart氏が、歴代ローマ皇帝54人のリアルな顔を彫刻などの歴史資料から再現した。

GANとPhotoshopで現代によみがえったローマ皇帝

ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス

Voshart氏が今回の再現で使用したのは、GANを用いたツールの「Artbreeder」と「Photoshop」、そして「彫刻や硬貨などの歴史資料」だ。

Artbreederは無料で利用可能な画像合成ネットツールで、適当な画像をアップロードすると、その画像によく似た、まったく別の写真を生成するというもの。風景画やアニメ画などをアップすると、それっぽい画像を数種類生成し、ポートレートなどをアップするとよく似た別人の画像を生成してくれる。

科学ニュースサイトのLive Scienceによると、Voshart氏は、皇帝が存命していた時に作られた歴史資料のみを使うことで、当時生きていたというリアリティを追求しようとしたという。

しかし、Artbreederだけではなく、機械学習や深層学習には「Garbage in, garbage out(「無意味なデータ」を入力すると、「無意味な結果」が返される」といった意味)」という問題があり、綺麗なデータを入れないと、まともなデータが出力されない。歴史上の人物となると、そもそもデータがそこまでない人物も多い。

そこで、歴史資料をPhotoshopなどで綺麗なデータに修正し、在位期間わずか3カ月のアエミリアヌスなどは当時発行された硬貨の肖像画をデータとして使用した。

マルクス・アエミリウス・アエミリアヌス

ヤマザキマリさんの漫画で、阿部寛さん主演で2度も映画化された「テルマエ・ロマエ」の時代に在位していたハドリアヌス帝も、リアルな肖像画として再現されている。

今も地球のどこかにいてもおかしくない見た目をしているが、あくまでも資料から再現されたこの世には存在しない人間である。

プブリウス・アエリウス・トラヤヌス・ハドリアヌス

無料のツールとPhotoshopでここまで再現できることに驚くと共に、個人のアート活動がAIによって更に加速していくことに期待が高まる。

今後はどのような取り組みがなされるのか、引き続き注目していきたい。

>>ROMAN EMPEROR PROJECT