エンタメ&アート

エンタメ&アート
2025/6/28 [SAT]
芥川賞作家・九段理江氏の生成AI共作短編『影の雨』プロンプト全文が公開――博報堂『広告』Webサイトでのサムネイル画像

芥川賞作家・九段理江氏の生成AI共作短編『影の雨』プロンプト全文が公開――博報堂『広告』Webサイトで

博報堂は2025年6月20日、自社が発行する雑誌『広告』Vol.418の特設ページで、芥川賞作家・九段理江氏が生成AIと共作した短編小説『影の雨』の執筆時に用いたプロンプト全文を[公開]{target=“_blank”}にアクセスすることで、九段氏がAIへ投げかけた指示のすべてを確認できる。 ## 企画の概要 同誌は「領域侵犯実験#1『小説家×AI』」と銘打ち、文字数4000字以内の短編を「95%を生成AI、残り5%を作家本人が執筆する」という条件で制作。生成AIには九段氏が日常的に使用しているモデルを採用し、AIへの入力文(プロンプト)も作品の一部として後日公開することをルールに定めていた。 公開されたのは (1) 完成した短編小説『影の雨』、(2) 九段氏とAIの対話形式で進んだプロンプト全文、(3) 制作インタビュー。特設サイトではプロンプトを「DAY1〜DAY5」に区切り、執筆初期の自己紹介から物語構造の再定義まで、作家とAIの応答を時系列に掲載している。 ## 背景と狙い 九段氏は第170回芥川賞受賞作『東京都同情塔』の取材中に「小説の5%をAIで書いた」と説明し、創作現場でのAI活用が話題となった経緯を持つ。今回の企画はその逆転発想として「95%AI執筆」を設定し、人間とAIの協働領域を可視化することを目的としている。同誌編集部はプロンプト全文を公開する理由について、「思考と葛藤が詰まった創作過程そのものを作品として提示するため」と説明している。 ## 今後の展開 博報堂『広告』編集部は「領域侵犯実験」を継続予定で、今後もクリエイターと生成AIの協働事例を紹介する方針を示している。九段氏は海外向け翻訳作品『Schoolgirl』の刊行を控えており、AIとの共作手法が国内外の文学界にどのような影響を与えるか注目される。 :::box [関連記事:AI 95%:芥川賞作家・九段理江 5%――受賞作品とは “執筆比率” が逆転した短編小説『影の雨』が問いかける創作の境界線] ::: :::box [関連記事:芥川賞受賞作品『東京都同情塔』、内容にも手法にも生成AIの影響──九段理江氏「5%は生成AIの文章そのまま」] ::: :::box [関連記事:星新一賞の最終選考に勝ち残った “AIに「ほぼ全て」を任せた小説” が全文公開される] ::: :::box [関連記事:OpenAI、新たな「文学作品を書けるAIモデル」を開発中──創作分野に革命をもたらすか?] ::: :::box [関連記事:無料で生成AI向け高品質プロンプトを提供、ポータルサイト「教えて.AI byGMO」登場] :::

mailmagazine_250701_1
FOLLOW US
各種SNSでも最新情報をお届けしております