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スクウェア・エニックスは2026年4月16日、マンガ編集工程における「写植指定」を効率化するAIツールを、出版事業本部のコミック編集部内に段階的に導入すると[発表]{target=“_blank”}した。編集者の作業負荷軽減と、創作支援業務へのリソース再配分を狙う。 ## マンガ編集の“見えない重労働”をAIで最適化 「写植指定」とは、マンガ原稿(ネーム)上の吹き出しに記載されたセリフやナレーションに対し、フォント(書体)やサイズ、スタイル、配置などを編集者が手作業で調整する工程を指す。可読性を高めるだけでなく、セリフの性質に応じた演出を担う重要な作業だ。 一方で、この工程は校了直前の繁忙期に集中する傾向があり、時間的な負荷が大きい。スクウェア・エニックスのマンガ編集部では、年間約3,000時間が写植指定業務に費やされていると試算されており、効率化が課題となっていた。 ![SQUARE ENIX1.jpg] :::small 画像の出典:[SQUARE ENIX]{target=“_blank”} ::: ## 社内発のアイデアから実装へ 写植指定Aは、2024年末に社内で実施されたAIを活用した業務改善アイデアコンペを起点として開発が始まった。現場の編集者自身が提案したアイデアをもとに、同社がデジタルエンタテインメント領域で蓄積してきたAIの研究開発および実装の知見を融合し、導入に至ったという。 ## 「吹き出しの形状」を起点としたAI設計 ツールは、スクウェア・エニックスの出資先であるMantraとのパートナーシップのもとで共同開発された。Mantraが開発するマンガ特化型の翻訳・組版・画像編集ツール「Mantra Engine」の一部技術を応用している。 特徴的なのは、吹き出しの形状に着目した設計だ。AIは原稿上の吹き出しの形状と、その中に含まれる文字データ(フォント、文字数、行数、句読点など)を認識し、最適なフォントやサイズ、スタイル、配置の候補を編集者に提示する。 **左の原稿から「吹き出しの形状」「記号としての文字データ」をAIが解析し、右の原稿の吹き出し内にフォントや文字サイズを提案** ![SQUARE ENIX2.jpg] :::small 画像の出典:[SQUARE ENIX]{target=“_blank”} ::: ## AIは“提案”、最終判断は編集者 ツールは自動で写植を確定するものではなく、あくまで編集者の判断を支援する設計となっている。AIが提示した候補をベースに、編集者がストーリーの流れやセリフの感情を踏まえて最終的な指定を行う。 AIの提案と人間の判断を組み合わせることで、品質を維持しながら作業時間の短縮を図る構成だ。 ## 学習対象を限定した設計 ツールは学習対象を限定している点も特徴となる。AIが扱うのは「吹き出しの形状」と「記号としての文字データ」に限られ、原稿内の絵柄やストーリーといった要素は学習対象とならない。 この設計により、作品そのものの創作領域には踏み込まず、あくまで編集工程の効率化に特化したAIとして位置づけられている。 ## βテストで継続利用意向100% 導入に先立ち実施されたβテストでは、計1,516ページを対象に検証が行われた。その結果、編集者の継続利用意向は100%、総合満足度は73%と高い評価を得ている。 参加した編集者からは、「他の業務を行いながら写植指定を進められる」「手書きでフォント指定を書き込む手間が省けた」といった声が寄せられたという。 :::box [関連記事:Mantraが7.8億円調達を実施 画像認識とLLM(大規模言語モデル)を併用したマンガ特化の翻訳ツール開発] ::: :::box [関連記事:LLMを使ったスピーディーな翻訳で日本のマンガを世界へ届けるーマンガに特化した研究開発で「マンガらしい」機械翻訳を追求するMantraの挑戦] ::: :::box [関連記事:日本のマンガを世界へ──and factoryが選んだ、AIによる制作支援のかたち] ::: :::box [関連記事:経産省 ゲーム・アニメ・広告を対象に「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」公開] ::: :::box [関連記事:マンガ特化のAI翻訳 Mantra、集英社等から総額約1.5億円の資金調達を実施] :::
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