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OpenAI「Sora」が生み出した初の公式ミュージックビデオ公開
2024年5月1日、OpenAIの動画生成AI「Sora」を使って制作された初の公式ミュージックビデオが[公開]{target=“_blank”}された。 アーティスト・作家・映画監督として多方面で活躍するPaul Trillo氏と音楽アーティストWashed Out(本名:Ernest Weatherly Greene Jr.)がコラボレーションし、OpenAIのAIモデル「Sora」を使用して制作された。 ビデオの特徴は、連続するズームショットを駆使して視覚的な錯覚を生み出すという斬新な手法により、視聴者を引き込む内容となっている。Soraは、ユーザーのプロンプトに応じて最大1分間のビデオを生成する。Trillo氏は自身のSNSで、「Soraで生成した55個のクリップをAdobe Premiereで編集した」とファンに説明している。 @[YouTube] Trillo氏によれば、このミュージックビデオは、愛する人を失った後の記憶と向き合い、それを手放すことの難しさを描いているという。現実の歪んだ鏡である記憶に対して、Soraの「夢のロジック」を利用して、実際には存在しない記憶を探求するアプローチを取り入れたとのこと。 ![The Hardest Part paul trillo.jpg] :::small 画像の出典:[Paul Trillo氏のX(旧Twitter)アカウントより]{target=“_blank”} ::: ビデオは、現実とAIが創出するシュールな特性の微妙な違いを探るものとなっている。奇妙なディテールと、夢の中のような動きのロジックを通じて、歪んだ記憶の本質をより良く表現することを目指している。 このミュージックビデオは、Soraの技術がどのようにしてクリエイティブな表現に革新をもたらすかを示す事例となり、AIとアーティストとの協働による新たな可能性を提示するものとなっている。 Trillo氏は、未公開のAI「Sora」への初期アクセスを許されたアーティストで、これを用いた作品「Abstract」は、3月にOpenAIのブログでも紹介されているほか、TEDの40周年を記念する「TED2024」に寄せて40年後のTEDの姿をSoraを使って描く[ビデオプロジェクト]{target=“_blank”}の制作に関わった。 ミュージックビデオ「The Hardest Part」は、6月28日にリリース予定のWashed Outの新アルバム「Notes From a Quiet Life」に収録されている。 :::box [関連記事:Adobe Premiere Proで「Sora」が使える! 年内にもOpenAI、Runwayなどのビデオ生成モデルを統合すると発表] ::: :::box [関連記事:OpenAI 文章から高精細な動画を生成するAI「Sora」を発表 レッドチーム中心にリリース前の安全性を検証中] ::: :::box [関連記事:40年後のTEDはどんな感じ?OpenAI「Sora」で制作されたTED40周年記念ビデオ] :::