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2025/7/18 [FRI]
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米国防総省、Anthropic・Google・OpenAI・xAIに各2億ドル──フロンティアAIを“エージェント化”し全軍ミッションを強化

2025年7月14日、米国防総省の最高デジタル・人工知能局(Chief Digital and Artificial Intelligence Office: CDAO)は、先進AI技術の導入を加速するため、Anthropic、Google、OpenAI、xAIの4社とそれぞれ最大2億ドル規模の契約を締結したと[発表]{target=“_blank”}した。 契約の目的は、各社のフロンティアAIを活用し、エージェントベースのAIワークフロー(agentic AI workflows)を様々な軍事・非軍事ミッションに統合することで、DoDのデジタル変革と国家安全保障対応能力を強化する点にあるという。CDAOはこの契約を通じ、先端商用技術をいち早く軍に取り込む「commercial-first」戦略を推進するとしている。 契約は、バージニア州アーリントンに本拠を置くCDAOが管轄する「Task Order under Tradewind OTA(Other Transaction Authority)」スキームを用いて実施された。各社に付与される契約上限額は2億ドルであり、支払いは段階的な成果に応じて行われる。 対象企業となるAnthropic・Google・OpenAI・xAIの4社はいずれも「フロンティアAI企業(frontier AI companies)」に分類され、数十億パラメータ規模の大規模言語モデル(LLM)を開発・運用している。CDAOはこれらの技術を通じて、「現場での意思決定支援」「戦略分析」「作戦計画」「データ統合」といった多様な軍務領域でAIの活用を進める方針だ。 今回のパートナーシップでは、すでにCDAOが導入を進めている複数のAIプラットフォームとの連携も見込まれている。具体的には、以下のような基幹技術への統合が明記されている。 - 「Ask Sage」と呼ばれるEnterprise LLM Workspace(大規模言語モデルによる業務支援環境) - 統合分析基盤「Advana」 - 映像解析AI「Project Maven Smart System」 - 前線データ連携基盤「Edge Data Mesh」 これにより、データ収集から意思決定までのプロセスを自動化・高速化し、現場の判断能力や作戦遂行能力の向上が期待されている。また、調達面では連邦政府の調達総局(GSA)と連携し、AI推論のための計算資源(AI compute)を共通調達枠から供給する計画も進行中とされる。 CDAOの責任者であるDoug Matty氏は、今回の提携について「AI技術は戦闘員の支援能力を根本から変革し、米国の戦略的優位性を確保する上で不可欠である」と述べている。 :::box [関連記事:OpenAI、米国防総省と最大2億ドルの契約を締結──関西電力とも戦略連携、官民で生成AI導入が加速] ::: :::box [関連記事:AnthropicとPalantir、AWSとの提携で米国防衛機関に「Claude 3」提供を開始] ::: :::box [関連記事:Anthropic、フロンティアAI開発者向け「透明性フレームワーク」を提案──安全開発を義務化する“Secure Development Framework”を柱に] ::: :::box [関連記事:マスク氏のAI「Grok」が “メカ・ヒトラー” 化?——xAIが7月8日の "恐ろしい振る舞い" に謝罪、トラブルの原因を公表] :::

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