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2025/7/10 [THU]
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生成AI「個人利用」26.7%に上昇──それでも米中との差は歴然【総務省・情報通信白書】

総務省は2025年7月8日、「[情報通信白書令和7年版]([発表]」を公表し、国内における生成AIの個人利用率が26.7%にとどまっているとの調査結果を示した。これは米国(68.8%)や中国(81.2%)と比べて大きく差がある。調査は2024年度にインターネット上で6,000人を対象に実施されたもので、生成AIの国内普及の現状と課題を浮き彫りにしている。 ## 世界との利用率比較、日本は依然低水準 白書によれば、生成AIサービスを「使ったことがある」と回答した個人は日本で26.7%。これは前年(2023年度)の9.1%から約3倍に増加したものの、国際的に見ると依然として低い水準である。 同調査における他国の利用率は、米国が68.8%、ドイツが59.2%、中国が81.2%。いずれも日本を大きく上回っており、対象4カ国の中で日本が最も低い。年代別に見ると、日本国内では20代の利用率が44.7%と最も高く、30代が23.8%、40代が29.6%、50代が19.9%、60代が15.5%と、年齢が上がるにつれて利用率が下がる傾向が明確に現れている。 ![2025hakusho.jpg] :::small 画像の出典:[情報通信白書令和7年版より]{target=“_blank”} ::: ## 利用しない理由:「必要性を感じない」が最多 生成AIを使っていない人にその理由を尋ねた結果、最も多かったのは「自分の生活や業務に必要ない」で40.4%、次いで「魅力的なサービスがない」(38.6%)、「使い方がわからない」(18.3%)が続いた。 ![2025hakusho2.jpg] :::small 画像の出典:[情報通信白書令和7年版より]{target=“_blank”} ::: この結果について白書は、生活や業務への活用方法が十分に理解されていない現状を示すとともに、ユーザーの実利感の欠如が普及の壁となっている可能性を示唆している。 一方で、生成AIの利用意向に関する設問では、「調べものをする」(40.8%)、「コンテンツの要約・翻訳をする」(38.6%)、「画像や動画を生成する」(35.9%)など、「今は使っていないが、ぜひ利用してみたい」または「条件によっては利用したい」と回答した割合が4割前後に達する項目も多い。 すでに利用している割合は各項目とも10%未満にとどまるが、サービスの充実や操作性の改善によって利用が拡大する余地があることがうかがえる。 ![2025hakusho3.jpg] :::small 画像の出典:[情報通信白書令和7年版より]{target=“_blank”} ::: ## 政策的対応と今後の展望 総務省は白書の中で、生成AIの健全な利活用に向けて、以下の3点を政策課題として挙げている。 - 利用者リテラシーの向上 - 民間事業者によるガイドライン整備の促進 - 教育・人材育成を含む体制の強化 また、デジタル庁や内閣官房AI戦略チームなどと連携しながら、産業界・教育機関・自治体を横断する形で活用促進とリスク管理を両立させる必要性も強調されている。 :::box [関連記事:総務省 2024年版「情報通信白書」より、生成AI利活用の現状と潜在的な可能性が明らかに] ::: :::box [関連記事:米国における初の全国的な調査で生成AIの利用状況が明らかに] ::: :::box [関連記事:フリーランスの生成AI活用率はわずか14.3%、情報漏洩や学習機会不足が主な障壁にー2024年実態調査] ::: :::box [関連記事:中学生の生成AI利用率が親を上回る—NTTドコモ モバイル社会研究所の調査結果] ::: :::box [関連記事:日本企業の45%が生成AIを導入、ランサムウェア感染経験は48%] :::

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