ラーニング

1~13 / 393件

ラーニング
2025/12/30 [TUE]
【2025年のAIトレンドを振り返る】その④:生成だけではないAI関連の進化と、AIを取り巻く広義のリスクのサムネイル画像

【2025年のAIトレンドを振り返る】その④:生成だけではないAI関連の進化と、AIを取り巻く広義のリスク

:::box 2025年の年末から2026年の年始にかけて公開する参加費無料のLedge.ai 年末年始特集「['25 to '26]{target=“_blank”}」より、今回は特別にサイト内で掲載している一部コンテンツの全文を公開する。2025年のAI関連の重要トレンドや、2026年以降のAIの展望について知りたい方は、ぜひご一読を。 ::: :::button [Ledge.ai年末年始特集サイトはこちら]{target=“_blank”} ::: ## 生成だけではないAI関連の進化 ![生成だけではないAI関連の進化.png] 2025年におけるAIの進化は、単にコンテンツを生成する能力を超え、計算基盤の革新、物理的な知能(ロボティクス)の高度化、そしてAIの理論的解釈と実社会への実装基盤の整備という三つの軸で顕著な進展を見せている。 まず、計算能力の限界を押し広げる次世代コンピューティング分野では、量子コンピュータが飛躍的に進化している。Amazonは、シュレーディンガーの思考実験にちなんだ「猫量子ビット」を活用する新型量子チップ「Ocelot」を発表し、これによりエラー訂正コストを90%削減する見込みである。同様に、Microsoftも世界初方式の量子プロセッサ「Majorana 1」を発表しており、これは1台で全世界の従来型コンピュータの計算能力を合わせたものを凌駕するポテンシャルを持つとされる。また、スーパーコンピューティングの領域でも、理化学研究所(理研)がNVIDIAと共同で「富岳」後継機の開発を進めており、次世代機はAIとシミュレーションの融合を目指すことが発表されている。 次に、現実世界における複雑なタスク実行を可能にするロボティクス向けの基盤モデルが充実している。Googleは、ロボット操作向けAI基盤モデル「Gemini Robotics 1.5」を公開した。このモデルは、行動を実行する前に思考し、複雑なタスクを処理する能力を備えている。さらにNVIDIAは、汎用的なロボット向けAI基盤モデル「Isaac GR00T N1」と、物理エンジン「Newton」を発表しており、このIsaacは「速い思考と遅い思考」というデュアルモデルの思考を採用している点が特徴である。    そして、AIの根源的な理解と実社会での応用基盤の強化も進んでいる。学術面では、京都大学などの研究チームが、「理論がないAI/LLM」に対し、情報幾何学の観点から新たな解釈の可能性を提示した。これは、「曲がった」ニューラルネットワークが引き起こす爆発的記憶や高次相互作用の数理に突破口を開くものとされている。一方、社会実装の面では、トヨタが「Woven City」のPhase 1を9月25日に正式開業した。ロケット企業を含む12社が参画するこの“実証都市”は、AIやモビリティ技術を現実世界で応用し検証するための重要なプラットフォームとなる。 :::box [関連記事:Microsoft、世界初方式の量子プロセッサ「Majorana 1」を発表 - 1台の量子コンピュータが、全世界の従来型コンピュータを合わせた計算能力をも凌駕するポテンシャル] ::: :::box [関連記事:Amazon、量子状態の重ね合わせを活用した新型量子チップ「Ocelot」発表——シュレーディンガーの思考実験にちなむ「猫量子ビット」によりエラー訂正コスト90%削減へ] ::: :::box [関連記事:NVIDIA、汎用的なロボット向けAI基盤モデル「Isaac GR00T N1」と物理エンジン「Newton」を発表 Isaacは思考のデュアルモデル(速い思考と遅い思考)を採用] ::: :::box [関連記事:「理論がないAI/LLM」に情報幾何学から新たな解釈の可能性 ──“曲がった”ニューラルネットワークが引き起こす爆発的記憶、京大らが高次相互作用の数理に突破口] ::: :::box [関連記事:トヨタ、「Woven City」Phase1を9月25日正式開業──ロケット企業含む12社が“実証都市”に参画] ::: :::box [関連記事:理研、「富岳」後継機の開発にNVIDIA参画──AIとシミュレーション融合の次世代スーパーコンピューター] ::: :::box [関連記事:Google、ロボット操作向けAI基盤モデル「Gemini Robotics 1.5」を発表──行動前に思考し、複雑タスクを実行] ::: ## AIを取り巻く広義のリスク ![AIを取り巻く広義のリスク.png] 2025年におけるAIを取り巻く広義のリスクは、技術の急速な社会浸透に伴い、法的責任、社会的安全性、経済構造、そして技術的な信頼性といった多岐にわたる領域で顕在化している。 特に法的・倫理的な側面では、生成AIの責任問題が具体的に追及される事例が増加している。たとえば、Anthropicは著作権侵害訴訟に関して15億ドルの和解を成立させ、約50万点の作品に対して1作品あたり3,000ドルを分配することで決着した。また、生成AI画像に著作権が成立すると判断され、無断複製を行ったとして千葉県警が27歳男を書類送致する全国初の摘発事例も発生した。さらに、AIが生成した「架空の判例」を裁判所に提出した弁護士に対し、米インディアナ州連邦地裁が1万5,000ドルの制裁金を科すという事態も生じており、これはAIの利用において「実際の知性」が不可欠であることを示唆している。 社会的・安全保障上のリスクも深刻である。OpenAIは、16歳の自殺訴訟を受けたことに対応するため、数日のうちにChatGPTにペアレンタルコントロールを導入する動きを見せた。また、大規模言語モデル(LLM)の悪用に関する摘発も進んでおり、Anthropicは100超の偽ペルソナを利用し複数の政治キャンペーンに関与した影響力請負ネットワークを摘発した。セキュリティ面では、Google Threat Intelligence Groupのレポートにより、「実行中に書き換える」AIマルウェアが初めて確認されたという新たな脅威が報告されている。 経済および企業統治の領域でも、AIが直接的なリスク要因となっている。米国の10月の人員削減(15万人超)において、「AI」がその理由の第2位に挙げられており、AIの導入が雇用市場を直撃している実態が明らかになっている。さらに、AIベンチャーのオルツに対し、売上の7割が水増しされた可能性のある粉飾決算疑惑をめぐり、証券取引等監視委員会(SESC)による強制調査が入った。 技術モデル自体の信頼性低下も重要なリスク要因である。米研究チームは、LLMがSNSの「ジャンク投稿」によって学習され続けることで、推論力や安全性が劣化するという「Brain Rot(脳腐敗)仮説」を提唱しており、これはAIの基盤となるデータの質の低下がモデルの性能と信頼性を損なう可能性を指摘している。 これらの事例から、2025年のAIを取り巻くリスクは、単なる技術的欠陥ではなく、法規制の不備、社会的な悪用、経済的な混乱、そしてAIモデル自体の持続可能性に関わる広範な課題として捉えられているのである。 :::box [関連記事:AIが生成した「架空の判例」を使用した弁護士に1万5,000ドルの制裁金ーー「AIの使用には“実際の知性”が必要」米インディアナ州連邦地裁] ::: :::box [関連記事:Anthropic、LLMを活用した影響力請負ネットワークを摘発──100超の偽ペルソナが複数の政治キャンペーンに関与] ::: :::box [関連記事:粉飾決算疑惑のAIベンチャー・オルツに証券取引等監視委員会(SESC)が強制調査 売上の7割が水増しの可能性] ::: :::box [関連記事:16歳自殺訴訟を受け、数日で対応強化──OpenAI、ChatGPTにペアレンタルコントロール導入へ] ::: :::box [関連記事:Anthropic、著作権侵害訴訟で15億ドルの和解成立──約50万点に1作品あたり3,000ドル分配で決着] ::: :::box [関連記事:AI導入が雇用を直撃 米10月の人員削減15万人超、理由の2位に「AI」──チャレンジャー社調査] ::: :::box [関連記事:「実行中に書き換える」AIマルウェアを初確認──Google Threat Intelligence Groupが最新レポート、国家支援型も濫用継続] ::: :::button [Ledge.ai年末年始特集サイトはこちら]{target=“_blank”} ::: ## おわりに ![25to26_thumb.png] Ledge.ai年末年始特集では、読者に向けて、2025年のAI関連の重要トレンドを振り返り、また2026年以降のAIの展望について発信している。新しい年へ動き出すための情報が詰まっているので、ぜひ以下ボタンより特集サイトをご覧いただきたい。 **【コンテンツ情報】** 無料登録を行うと、これらすべての記事を閲覧できるようになる。 ■ 特別インタビュー 京都賞受賞のAIのパイオニア甘利俊一先生をはじめ、量子コンピュータ/量子機械学習からロボット基盤モデル、話題の”PLURALITY”、NVIDIA、AMDなど、”いま読んでおくべき”インタビューが満載 ■ 2025年のAI動向総ざらい ■ 厳選注目記事49本 :::button [Ledge.ai年末年始特集サイトはこちら]{target=“_blank”} :::

アクセスランキング
mailmagazine_Benefit_260109
FOLLOW US
各種SNSでも最新情報をお届けしております