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2025/5/11 [SUN]
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住宅設計をAIが「数秒で自動生成」──リブワークとカナダAI企業が住宅DXに本格着手

住宅メーカーの株式会社Lib Workは2025年3月26日、カナダのスタートアップMaket Technologies Inc.と共同で、生成AIを活用した住宅設計自動化プロジェクトを開始したと[発表]{target=“_blank”}した。プロジェクトは、住宅設計の初期提案から3D化、見積作成までのプロセスをAIによって支援し、従来数時間から数日を要していた設計初期段階の顧客提案を数秒以内に迅速化し、業務効率の向上を図ることを目的とする。 ## Maket Technologiesについて Maket Technologiesは2019年にモントリオールで設立されたAIスタートアップであり、ジェネレーティブ・デザイン技術を用いた住宅設計SaaS「Maket」を開発している。同社は北米の住宅業界で導入実績を持ち、設計条件に基づいた住宅プランの自動提示、3Dパース作成、概算見積自動生成などの機能を提供している。 ## 日本市場向けAIモデルの構築 Lib Workは、同社が保有する数万件規模の住宅図面データをMaketのAIに学習させ、日本市場向けに最適化した設計自動化モデルを構築する方針だ。これにより、日本特有の敷地条件や法規制を反映した住宅設計プランを、顧客要望と土地情報を入力するだけで数秒以内に生成できるようになるという。 ## プロジェクトの主要工程 プロジェクトの工程は大きく4段階に分かれる。まず、Lib Workが提供する数万件規模の住宅図面をAIに学習させ、設計の自動生成精度の向上を図る。次に、顧客からの要望に応じた間取りを数秒で提示する機能を構築する。その後、完成したプランに基づいてフォトリアルな3D画像と概算見積を自動で出力する機能を追加する。最後に、設計者や営業担当向けに、AIが最適なプランをチャット形式で提案するアシスタント機能を実装する計画だ。 ![libwork.jpg] :::small 画像の出典:[株式会社LibWork]{target=“_blank”} ::: ## 今後の展開 Lib Workは2025年中の社内実証完了を目指しており、2026年以降は他社へのOEM提供を計画する。これにより、住宅業界全体の設計業務のDX推進、属人化の解消、効率化に貢献することを目指すとしている。 同プロジェクトは、設計士の高齢化や人手不足が進行し、建材コストの上昇も課題となっている住宅業界において、限られた人員でより多くの設計案件に対応することを可能にし、また設計ミスの削減による手戻り防止を通じてコスト上昇を抑制するなど、複数の課題への対応策の一つとなり得る。将来的には、VRやARとの連携、環境性能の自動最適化機能の追加などが検討されている。 Lib WorkとMaket Technologiesの協業は、住宅設計プロセスにおけるAI活用の事例として注目される。 :::box [関連記事:中国の研究者ら、AIが自然言語から高精度なCADモデルを生成する「CADFusion」を開発ーーLLMと視覚的フィードバックを活用した「Text-to-CAD」技術が進展] ::: :::box [関連記事:イケア・ジャパン、AIデジタルホームデザインツール「IKEA Kreativ」を導入] ::: :::box [関連記事:準備プロセスを55%も削減 設計図面から情報を自動的に抽出する建設業特化AI] ::: :::box [関連記事:イトーキとAIスタートアップの燈がオフィスデザイン自動生成AIの共同開発契約を締結 「Ofiice3.0」時代を拓く] ::: :::box [関連記事:積水ハウスと博報堂、AI活用「生活ログ」解析の共同プロジェクト開始] :::

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