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2025/11/18 [TUE]
クマ被害多発で注目、上智大・深澤研究室が19地域の遭遇リスクをAIで可視化──1kmメッシュで危険度を5段階表示する予測マップのサムネイル画像

クマ被害多発で注目、上智大・深澤研究室が19地域の遭遇リスクをAIで可視化──1kmメッシュで危険度を5段階表示する予測マップ

全国的にクマによる出没や人身被害が相次ぐ中、上智大学・深澤佑介准教授(応用データサイエンス)の研究チームが、クマとの遭遇リスクをAIで予測し、地図上で可視化する「[クマ遭遇AI予測マップ]{target=“_blank”}」を一般公開している。対象地域は札幌市、東北、北関東、東京都、北陸、中部、京都府など計19地域に広がり、誰でも無料で閲覧できる。 同大学・応用データサイエンス学位プログラムは2025年10月24日付で、深澤研究室が開発した「クマ遭遇予測マップ」の公開URLを案内しており、秋田県を対象とした予測モデルを基に実装したことを説明している。研究室サイトでは19地域分のマップが一覧化され、各エリアの遭遇確率を確認できる。 ## AIが1kmメッシュで遭遇リスクを推定 予測マップでは、AIがクマ遭遇リスクを1km四方のメッシュ単位で推定し、危険度を「非常に高い」「高い」「やや高い」「可能性あり」「低い」の5段階で色分けして表示する。赤系が高リスク、黄色系が中リスクを示す仕組みだ。 また、各地域ページには、直近6カ月以内のクマ出没・遭遇地点を示す「X印」が別途表示される。マーカーがない場所は、データ不足などの理由で予測が行われていないエリアであることも明記されている。 ## 過去の遭遇記録や地形・人口などを活用 予測モデルは、各自治体が公開するクマの出没・遭遇記録をはじめ、森林や農地などの土地利用、道路網、人口分布、標高といった環境要因を組み合わせて学習している。 学習には決定木ベースの機械学習手法が用いられ、秋田県のデータでは「正答率・適合率・再現率がいずれも6割強」という検証結果も得られている。 これらの情報を統合し、各メッシュの遭遇確率を推定することで、ユーザーが直感的に危険エリアを把握できるよう設計されている。 ## 19地域をカバーし、PC・スマホから無料で閲覧可能 マップは研究室サイトで公開されており、PCやスマートフォンから無料で利用できる。アクセスに特別なアプリは必要なく、ブラウザ上で地図を閲覧しながら推定リスクを確認できる。 対象地域は以下の通り(一部抜粋) :札幌市・青森県・盛岡市・秋田県・山形県・宮城県・新潟県・栃木県・群馬県・埼玉県・東京都・山梨県・富山県・石川県・長野県・岐阜県・京都府 研究室サイトには「最終更新日時」も掲示され、最新の予測状況を確認できる。 また、深澤研究室は X(旧Twitter)公式アカウント([@fukazawa_lab]{target=“_blank”}) でもマップの更新情報や関連アナウンスを随時発信しており、最新の動向を確認できる。 ## 「最新の自治体情報を優先してほしい」──研究チームが注意喚起 上智大の案内および研究室サイトでは、予測マップの利用にあたって複数の注意点を明示している。 - マップは「注意喚起」を目的とした予測であり、遭遇を確実に防ぐものではない - クマの行動は環境によって変動するため、最新の状況は反映しきれない場合がある - 登山・農作業・山菜採りなどを行う際は、「自治体が発信する情報や現地の警報・掲示を必ず確認してほしい」 研究チームは今後もデータの蓄積やモデル改良、対象地域の拡大を進め、遭遇リスク低減に資する情報提供を継続する方針を示している。 :::box [関連記事:Google DeepMind、「AlphaEarth Foundations」発表──衛星・レーダー・気候データを1ピクセル64次元に凝縮] ::: :::box [関連記事:DATAFLUCTが歴史ある企業のトランスフォームを目指す理由 社会に必要な産業を100年継続させるための伴走者に] ::: :::box [関連記事:スパコン「富岳」を活用した世界初の竜巻予測、富士通と横浜国立大学が成功:台風規模の大気現象と、局所的な竜巻を同時に高解像度でシミュレート] :::

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