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2025/7/3 [THU]
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デンマーク政府、ディープフェイク規制に向け著作権法改正へ——「自分の身体・顔・声を守る権利」を法制化

デンマーク文化省は2025年6月26日、AI技術を用いて作成されたディープフェイクの無断生成および共有を規制するため、著作権法の改正に向けて与野党9党間で合意したと[発表]{target=“_blank”}した。同省のプレスリリースによれば、すべての国民が自分の身体的特徴や顔、声に関して著作権に準じる権利を保有し、無断でのディープフェイク利用に対して削除要求や損害賠償を請求できる仕組みを導入する。 今回の改正案では、許可なく作成・共有されたAI生成コンテンツを削除する義務がプラットフォーム事業者に課され、違反時には重大な罰金が科される見通しである。一方で、パロディや風刺といった表現の自由を担保するための例外規定も盛り込むとしている。 文化省は、近年AI技術の進展により本物と見分けがつかないディープフェイクが急増し、民主主義や個人の尊厳に深刻な影響を与えると指摘。ヤコブ・エンゲル=シュミット文化大臣は「テクノロジーが法を追い越した今、人々に“自分の顔と声を守る権利”を明確に保障することが急務だ」と述べている。 今後は2025年夏にパブリックコメントを実施し、同年秋に議会へ改正案を提出。2025年末から2026年初頭の成立を目指すとしている。欧州で個人の外見や声を包括的に保護する初の法制度として注目される。 :::box [関連記事:OpenAI、大統領選挙期間中に25万件のディープフェイク画像生成リクエストを拒否] ::: :::box [関連記事:EUがAI規制の包括的規範を示す世界初の「AI法」に合意 — 重大な違反には巨額罰金] ::: :::box [関連記事:米控訴裁判決:AI単独生成作品の著作権を否定──「人間による著作」が必須要件] ::: :::box [関連記事:逆転判決 MidjourneyとStability AIの著作権問題:アーティスト側の著作権侵害訴えが継続へ] ::: :::box [関連記事:Microsoft、AI生成ディープフェイク詐欺の防止を目指す包括的法規制を米議会に要求] :::

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