公共
カリフォルニア州、AIの「 緊急停止機能(キルスイッチ)の導入」など盛り込む新法案SB1047が議会を通過 大手テクノロジー企業からは強い反発
カリフォルニア州議会は2024年8月29日、AI開発企業に安全対策を義務付ける法案「最先端のAIモデルのための安心で安全なイノベーション法(SB1047)」の修正案を[承認]{target=“_blank”}した。この修正案は、AIの急速な進化に伴うリスクに対応するために、法案の内容をさらに強化することを目的としているという。 修正案では、特に計算能力が高く、開発費用が1億ドル(約145億円)以上のAIモデルに対し、以下の新たな義務が追加された: **1. 第三者監査の強化:** AIモデルの安全性を確保するために、独立した第三者による監査が義務化された。 **2. 緊急停止機能(キルスイッチ)の導入:** AIが意図しない行動を取った場合に備え、即座にシステムを停止できる機能の搭載が義務付けられた。 **3. 州司法長官の権限強化:** AIが公共の安全に対する脅威をもたらす場合、州司法長官が法的措置を取る権限が強化された。 ## 大手テクノロジー企業からの反発 [ロイター]{target=“_blank”}によると、この法案に対しては特に大手テクノロジー企業から強い反発が出ているという。 Googleの親会社であるAlphabet、Meta、OpenAIなどがこの法案に懸念を表明しており、規制が過剰であり、AIのイノベーションを阻害する可能性があると主張している。これに対し、テスラのCEOでありAI企業xAIを経営するイーロン・マスク氏は、AIのリスクを管理するための法的枠組みが必要だと述べ、法案を支持しているとのこと。 また、米国議会の一部民主党議員もこの法案に反対しており、ナンシー・ペロシ下院議員は「SB1047は過度に規制的であり、開発者をカリフォルニアから追い出す可能性がある」との懸念を表明しているという。 法案は現在、ギャビン・ニューサム州知事の署名を待っており、9月末までに成立する見込みだ。ニューサム知事が署名すれば、カリフォルニア州はAIの安全性規制において先駆的な役割を果たし、全米のモデルケースとして注目を集めている。 :::box [関連記事:米バイデン政権 連邦政府機関のAI利用の包括的指針を発表 AI利用のリスクから国民を保護する措置を義務付け] ::: :::box [関連記事:EUのAI規制は「複雑で一貫性のない規制がイノベーションを阻害」— MetaとSpotifyのCEOが批判] ::: :::box [関連記事:イーロン・マスク氏、GPT開発停止を求めるも自身のAIスタートアップ設立へ] ::: :::box [関連記事:テネシー州 AIによる無断歌声使用を防ぐ新たな法律「エルビス法」を施行 違反には最大2,500ドルの罰金も] ::: :::box [関連記事:米ワシントン州、銃撃事件の裁判「AIで強化した動画は証拠として認めない」高等裁判所の裁定] :::