学術&研究
AIでネコを幸せに? 英ノッティンガム大学の研究「Cat Royale(キャット・ロワイヤル)」が複数の国際賞を受賞
英ノッティンガム大学の研究チームは、猫とAIロボットが共存する環境をデザインし、それが猫の幸福にどのように影響を与えるかを探求する実験「Cat Royale」の成果を[発表]{target=“_blank”}した。 この研究は、Blast Theoryとノッティンガム大学のMixed Reality Labが共同で開発したプロジェクトで、猫たちがAIによってコントロールされる環境内で自由に生活できる「猫のユートピア」を実現しようとする取り組みだ。 Cat Royale は、ブリスベンのWorld Science FestivalやロンドンのScience Galleryで展示され、AIが創り出すユートピアについて、観客に信頼と自律という深い問題を問う機会を提供したとのこと。 研究では、3匹の猫「クローバー」「パンプキン」「ゴーストバスター」が12日間、特別に設計された室内環境で、1日6時間ロボットと交流した。 @[YouTube] プロジェクトでは、500以上の異なる遊びを提供するロボットアームが導入され、猫の反応に基づいてAIが次のアクティビティを提案するシステムが組み込まれている。この環境内では、猫用のおもちゃやキャットツリー、水飲み場、植物が豊富に用意されており、ロボットアームは猫じゃらし風のおもちゃやボールで遊びを演出した。 ![neko robot3.jpg] :::small 画像の出典:[Cat Royale: Day Two]{target=“_blank”} ::: 猫たちは、これらの遊びに自発的に反応し、高いストレスを示すことなく、研究期間中自ら進んで環境に入室していたとのこと。猫の行動専門家と飼い主の分析によると、猫たちはこの新しい環境に心地よさを感じており、AIとの相互作用を楽しんでいたという。ロボットの活動は人間の監視のもとで行われ、猫たちの安全と健康が確保されていた。 このプロジェクトは、AIとロボット技術がどのようにして動物の幸福に寄与できるかを示すものであり、将来的には人間と動物の共生環境の質的向上に貢献する可能性があるとのこと。 「Cat Royale」は、Webby Awardsの「Best Integrated Experience in the AI, Metaverse & Virtual」カテゴリーで[People’s Voice Winner]{target=“_blank”}で表彰されている。 :::box [関連記事:前澤友作氏に選ばれたAI活用の猫企業「猫の幸せのために事業を加速」] ::: :::box [関連記事:Google DeepMindの「ロボット憲法」 アシモフのロボット三原則の拡張が生成AI時代を支える] ::: :::box [関連記事:NTT 京都に哲学研究所「AIの社会導入のため哲学を進化させる」京大教授と共同で] :::