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2026/1/7 [WED]
現在の生成AI勢力図はどこからどのように生まれたのか?──Google起点の系譜を可視化した「AI Mafia」のサムネイル画像

現在の生成AI勢力図はどこからどのように生まれたのか?──Google起点の系譜を可視化した「AI Mafia」

生成AIを牽引する研究者や起業家たちは、どこから生まれ、どのようにつながってきたのか。 個人開発者のDipak Wani氏が公開したインタラクティブ可視化「[AI Mafia]{target=“_blank”}」は、Googleを起点とするAI人材の系譜をネットワーク図として可視化した試みとして注目を集めている。 「AI Mafia」は、人物、企業、研究組織などをノードとして配置し、それらの関係性を線で結んだインタラクティブなネットワーク図だ。閲覧者はノードを操作することで、特定の研究者がどの組織に所属し、どの企業や研究と結びついてきたのかを辿ることができる。生成AI分野を形作ってきた人材の流れを、構造として俯瞰できる点が特徴となっている。 ## Googleに集結したAI人材──2010年代前半の「集中」 この可視化の背景にあるのが、米国の人気ビジネス系ポッドキャスト「Acquired」が2025年秋に公開したエピソード「[Google: The AI Company]{target=“_blank”}」で整理されたAI史だ。同エピソードでは、現在の生成AI革命を担う人材の多くが、2010年代前半に一度Googleへ集結していたことが語られている。 @[YouTube] 2012年のImageNetコンペティションで勝利し、深層学習の転換点を作ったジェフ・ヒントン教授と、その教え子であるアレックス・クリジェフスキー、イリヤ・サツケヴァーらは、スタートアップ「DNN Research」を通じてGoogleに加わった。ほぼ同時期に、デミス・ハサビスらが創業したDeepMindも2014年にGoogleに買収され、優秀な研究者集団がGoogle傘下に入った。 ![hinton dnn hassabis deepmind.jpg] さらに、アンドリュー・ン氏やジェフ・ディーン氏らを中心に、Google内部では「Google Brain」が立ち上げられた。Acquiredではこの時期を、かつてIBMがコンピュータ時代初期にプログラマーを一手に集めていた状況になぞらえ、AI分野の人材と計算資源がGoogleに強く集中していた段階として位置づけている。 ## OpenAIの設立と最初の人材流出 こうした集中構造に変化をもたらしたのが、2015年前後のOpenAI設立だ。イーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏らは、GoogleがAI研究と計算資源を事実上独占している状況に危機感を示し、対抗的な研究組織としてOpenAIを立ち上げた。 多くの研究者がGoogleに留まる中で、最初に大きな動きを見せたのがイリヤ・サツケヴァー氏だった。同氏はGoogleを離れ、OpenAIの創業メンバーとして参加し、後に同社の技術的中核を担う存在となった。この動きは、AI人材がGoogleから外部へ流出し始めた象徴的な出来事とされている。 ## Transformer論文が加速させた分岐 人材流動を決定的に加速させたのが、2017年にGoogleの研究者らが発表した論文「Attention Is All You Need」、いわゆるTransformer論文だ。現在の生成AIの基盤となるこの技術はGoogle内部で生まれたが、製品化には慎重な姿勢が取られた。 その結果、論文の共著者たちは数年以内に相次いでGoogleを退職し、スタートアップを創業したり、競合企業へ移籍したりしていった。主要著者の一人であるノーム・シャジール氏は、社内でのチャットボット公開が認められなかったことを背景に退職し、Character.AIを創業した例として知られる。 **Transformer論文著者たちのその後** ![after transformer.jpg] ## 現在の生成AI勢力図へとつながる人材の流れ 現在の生成AI業界を代表する企業の多くは、こうした流れの延長線上にある。OpenAIはサツケヴァー氏ら元Google研究者が技術基盤を築き、AnthropicはOpenAIからスピンアウトしたダリオ・アモデイ氏(元Google Brain)らによって設立された。DeepMindの共同創業者であるムスタファ・スレイマン氏はInflection AIを経て、現在はMicrosoftのAI部門を率いている。 Dipak Wani氏の「AI Mafia」は、これらの人材の集中と分岐の歴史を、一枚のインタラクティブな図として可視化したものだ。2025年10月下旬に[Hacker News]{target=“_blank”}上で作者本人によって公開され、年末から年始にかけてテック系コミュニティで共有が広がった。研究成果の優劣を示すものではないが、生成AI時代のエコシステムがどのような人材の流れによって形作られてきたのかを理解する手がかりとして参照されている。 :::box [関連記事:〖AI歴史年表〗AIはダートマス会議から数えて2026年で70周年!起源から生成AI革命までのAI全史を振り返る] ::: :::box [関連記事:AI技術の画期「トランスフォーマー」の生みの親 Google退社しスタートアップ設立へ] ::: :::box [関連記事:元GoogleのAI研究トップ2人 東京にスタートアップ「Sakana AI」設立 次世代技術に挑む] ::: :::box [関連記事:マイクロソフトAI責任者、ウェブ上のコンテンツの「フリーウェア」発言で議論を巻き起こす] ::: :::box [関連記事:GWに徹底理解!GPTの仕組みをめちゃくちゃ分かりやすく解説する無料動画公開] :::

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