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2026/9/5 [SAT]
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生成AIの影響を受けやすい若手、雇用ギャップ19%に拡大 スタンフォード大が物議を醸した研究の1年後を追跡調査

スタンフォード大学の[デジタルエコノミー研究所]は2026年8月12日、生成AIの普及と雇用の変化を分析した研究「Canaries in the Coal Mine? Six Facts about the Recent Employment Effects of Artificial Intelligence」の改訂版を公開した。米給与計算サービス大手ADPが保有する数百万人規模の給与データを2026年6月まで分析したところ、AIの影響を受けやすい職種に就く22~25歳の雇用は、影響を受けにくい同年代と同じペースで推移した場合と比べ、約19%低い水準となった。 研究は、スタンフォード・デジタルエコノミー研究所所長のエリック・ブリニョルフソン氏、同研究所のバラット・チャンダー氏、ルーユー・チェン氏が実施した。Ledge.aiでは[2025年8月に公開された初版] についても報じている。 ## 若手の雇用ギャップ、2025年7月の15%から19%へ 研究チームは、生成AIが広く利用されるようになった後の米国労働市場を、年齢や職種ごとのAIへの「曝露度」を踏まえて分析した。 最新版で示された「6つの事実」の一つが、22~25歳の若手で広がる雇用ギャップだ。AI曝露度の高い職種の若手雇用は、曝露度の低い同年代と同じペースで推移していた場合に比べ、2025年7月時点で15%、2026年6月時点では19%低い水準となった。 実際の雇用水準で見ると、AI曝露度が特に高い上位2グループに属する22~25歳の雇用は、2022年11月から2026年6月までに約11%減少した。一方、曝露度が低い3グループでは同じ期間に約10%増加したという。経験を積んだ労働者では、これに相当する雇用ギャップは確認されなかった。 **AI曝露度別に見た22~25歳の雇用者数の推移。AI曝露度が高い職種では、2023年以降、若手の雇用が相対的に減少している** ![image2-e1786425005881.png] :::small 画像の出典:[Economy Lab / ADP Research ]{target=”_blank”} ::: なお、昨年の初版で示された「13%減」は、企業ごとの雇用変動などを調整した分析による推計値だ。今回の19%とは算出方法が異なるため、単純に「13%から19%へ悪化した」と比較することはできない。 ## 解雇増ではなく「若手の採用減」が中心 改訂版では、若手の雇用減少がどのように起きているかについても分析を深めた。 研究チームによると、AI曝露度の高い職種で生じている調整は、若手の離職や解雇が増えたことよりも、新規採用が減ったことによる影響が大きいという。また、変化は基本給の低下よりも雇用人数に表れている。 AIの使われ方による違いも確認された。AIが人間の作業を「自動化」する用途で多く使われる職種では雇用が減少する一方、人間の仕事を「補完」する用途が中心の職種では、雇用は横ばいか増加しており、特に経験豊富な労働者でその傾向が見られた。 研究チームは今回、業務で使われる知識の性質にも着目した。教科書やマニュアル、文書などに形式化された「形式知(codified knowledge)」への依存度が高い職種では若手の雇用が減少した。一方、実務経験や指導、現場での反復を通じて身につく「暗黙知(tacit knowledge)」への依存度が高い職種では、経験豊富な労働者の雇用が増えているという。 今回の結果について、AIが若手の雇用減少を引き起こしたことを示す「因果推定」ではないと強調している。 テクノロジー企業やコンピューター関連職を除外した場合や、金利上昇、リモートワークなどの影響を考慮した場合でも若手の雇用ギャップは残った。しかし、学歴を考慮すると差は縮小するほか、生成AIが普及する以前から一部で異なる傾向が見られることも確認された。また、ADPの分析対象では、全米規模の調査データより雇用ギャップが大きく表れている。 このため研究チームは、経済全体でAIに伴う広範な雇用喪失が起きている証拠は現時点で確認していないとしている。今回の結果をAIによる労働市場への影響を確定させるものではなく、変化を早期に捉える「炭鉱のカナリア」に当たる記述的な指標と位置付けた。 スタンフォード・デジタルエコノミー研究所とADP Researchは、この研究を基にした「[Canaries Dashboard]」を公開しており、AI曝露度の異なる職種や労働者の雇用動向を今後も月次で更新する。 :::box [関連記事:スタンフォード大研究、AIで若手雇用13%減──ベテランは安定・成長傾向を「6つの事実」で提示] ::: :::box [関連記事:Anthropic、AIが労働市場に与える影響を分析 Claude利用データから「職業ではなくタスク単位で変化」と指摘] ::: :::box [関連記事:Anthropic、AIの労働市場や経済への影響を分析する「Economic Index」を発表 Claude.aiの匿名化された数百万件の会話データを分析し、様々なファインディングスを導出] ::: :::box [関連記事:AIは駆け出しの開発者を置き換えられない──AWSのガーマンCEO、WIREDのポッドキャストで3つの理由を説明] ::: :::box [関連記事:OpenAI、AIの経済影響を検証する研究者向けプラットフォーム設立 労働市場や教育、企業行動を実証研究へ] :::

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